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当たり付き
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駄菓子屋ってのは大抵「当たり付き」のお菓子が多い。
対してなど美味いわけでもなく、パッケージが違うだけ。
中身がシンプルイズベストな全く同じ形をした商品が並んでたりする。
当たり付きなんて所詮何万分の一だとわかっている。
…なのに、目の前のこいつは、当たり付きのヤツだけをカゴに入れている。
「望勇ー…当たり付きって美味しくないんだぞー」
10円チョコ当たり付きの10個目を入れた時、そう教えてあげた。
ビクッと体が固まり、次の反応を楽しみに見ていると、何事もなかったようにものと場所に戻していく。
…中身が1個まで減った。
チョコ売り場をくるくる周りどれにしようかと選んでいると
「おつとめ品…??」
と急に望勇が止まった。
ん?と少し開けていた距離を詰めると、床にダンボールが置いてあり、そこにおつとめ品と紙がはらさっていた。
「あぁ、賞味期限とか低品質に出来上がっちゃったとかのせいで安くなっt…」
説明してるとそいつが「しょー?みき??げん?」
と何のことやらと思っているのに気づく。
「んー…腐るのが早いとか、作るのに失敗しちゃって形が変とか…」
そう説明するとうんうんとうなづいた。
伝わったのか…??
不安げにそいつの行動を目でおうとダンボールを覗き込んだ。
「おぉお…!!」
また歓声を上げる。
なんかいいのでもあったのか?と上から覗き込む。
…あぁ、なるほど。
こりゃ好きかもなぁ…。
形不揃いチョコ300g。これが150円。
明らかに…さっきの当たり付きチョコよりは安くて多い。
望勇はそのチョコの袋を2、3個持ち上げて「うーん…」とどれを選ぶか必死に考えている。
随分考える時間が長かったので、俺も望勇をちゃんと視界に入れながら買いたいものを探した。
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