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転倒
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side 悠(橘です)
_ドタッ
鍵を開けてると中から物音がした。
きっと俺が帰ってきたのに気づいて、望勇が慌ててるんだろうな
_ドタンッ…
突然大きい物音がした。
転ぶ時のような音が。
「望勇っ!」
急いでドアを開け、靴を投げ捨ててリビングへ走る。
急いだせいで片足の靴が脱げていなかったけど気にしない。
「…やっ…!」
リビングのドアを開けたらそこには望勇が倒れていた。
「望勇大丈夫か_...」
「来ちゃ…め!」
...え?
駆け寄ろうとする俺の 望勇は怒鳴った。
…なんで?俺 嫌われたか?
なんかしたか?
ゆっくり起き上がる望勇を見ながら考えるけど
一切思いつかない。
「…ごめ…なさい。お絵かき…まだ、内緒…」
立ち上がった望勇は、いま倒れたとき下敷きにしてしまったのであろうくしゃくしゃの紙を背中に隠す。
…と、突然 自分の眼の前に出し、紙をじっと眺めて涙を目にためる。
「…ぐちゃ..ぐちゃ.....。せっかく…頑張った、のに」
ぐちゃぐちゃの紙を抱きしめて、腰が抜けたように座り込む。
「また描くんじゃダメなのか?」
頭に手をおいて撫でてやりながらそう聞くと
望勇は涙をぽろぽろこぼしながら俺を見る。
「橘さん…が…、ぐちゃぐちゃ…なっちゃ…」
ぐちゃぐちゃの紙を涙で濡らしていきながら、
途切れ途切れそういう。
…内緒でぐちゃぐちゃの俺の絵?
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