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ほしいもの。
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「蒼様、お時間です」
白井の声で我に返る
まだ半分も食べていない朝食を置いて
新品の如く綺麗なジャケットに袖を通した
現在時刻は7:50
蒼は白井にこの時間に出るように
命じてあった
「...今行くよ」
蒼は一言呟くように言うと
家を出て車に乗った
小野寺 蒼
今年の春から霧島高校に転校してきた2年生
父が社長である小野寺財閥の息子に辺り
いわゆる、
裕福な家庭で育つ男子高校生
「何か考え事でもございますか?」
白井が運転しながら聞いてきた
白井
蒼のいる小野寺家の使用人
蒼の執事の役割を主にこなしている
常に側にいる白井には
蒼が何を考えてるかすぐわかる
唯一の家族である父は常に会社にいるため
蒼にとって白井は執事というより
一種の父的存在であり
一種の友達的存在でもあった
「んー...いや、何も....」
上の空で返事をする蒼を
ミラーで一瞥する
「左様でございますか。
学校の方は楽しいですか?」
「んー...楽しいというか
慣れたって感じかなぁ.... 」
季節はもう12月だというのに
友達と呼べるような人はいない
だから楽しいはずがない。
1人の時間に慣れたという気しか
蒼にはなかった
財閥の息子という概念からか
蒼に話し掛けてくれるような人はいない
そして蒼自身も
低能な奴らと連むつもりもなかった
「慣れたけどつまんないなぁ〜」
そういうと
あ、
と何か思い出したように口を開いた
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