アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
橙色と黄色1
-
『先生、プリントの整理終わりましたー』
とある日の放課後、俺は担任の先生の手伝いをしていた。
「おう。じゃあ、こっちを頼む!」
『はーい。』
「誰か放課後、先生の手伝いをしてくれる人いないか?」
と先生が言った。
誰も手を挙げなかったら、可哀想だと思って手を挙げた。
まぁ、放課後特に予定なかったし……。
「おっ!だったら橙山、放課後よろしくな!!」
と言われ
『はい。』
俺は頷いた。
「いや〜橙山がいてくれて、助かったよ。誰も手を挙げてくれなかったら、どうしようかと思った。」
先生は、苦笑いでそう言った。
『俺は放課後、暇だったんでそれより、先生の仕事って大変なんですね。』
「あぁ、やること多いからなー」
俺と先生は、喋りながらも仕事をこなしていく。
『先生、これどうします?』
「あーそれは……悪いが橙山、3階の準備室に行ってそれを棚に返してきてくれるか?」
先生は、俺に準備室の鍵を渡した。
『はい、分かりました。』
俺は鍵を受け取って、3階の準備室に向かった。
『えーと、準備室は……ここか。』
鍵を開けて準備室の中に入る。
先生から頼まれたものを棚に返した。
『これでよし!っと。』
戻る前に少し教室の中を見ておこうと思い、教室の中をキョロキョロと見まわした。
普段、この部屋には鍵がかかっているらしく生徒は中々入る機会がない部屋だ。
部屋の中は、暗くて少し埃っぽかった。
特に珍しい物もなく、そろそろ先生のところに帰ろうと思って教室の外に出ようとしたら、廊下を何者かが走りまわる音がした。
その後に、大勢の人の走りまわる足音。
誰かが大勢に追いかけられている?
足音はこっちに向かって来る。
とりあえず、教室の中に避難しといた方が良さそうと判断して、俺はもう1度準備室の中に入った。
ドアを閉めようと振り返ったら、人の走って来る音がしてドアの前に黄色の頭の人が立っていた。
えっ、いつの間に…っていうか……。
ここで、出会うんだな…。
キセキの世代の1人、黄瀬涼太。
黄瀬涼太は、肩で息をしながら準備室のドアを閉めた。
いきなり入ってきた黄瀬涼太に困惑していると、俺と目が合った彼は俺の口を手で塞いだ。
『ちょっ。』
「しっ!静かに。」
いきなり、入ってきて何なんだと思いながら口を閉じる。
すると、さっき聞こえた大勢の足音が近づいてきた。
「黄瀬君、どこ行ったのー?」
「あっちに行ったのかな?」
「あー見失っちゃった。」
数人の女子の声が、廊下から聞こえる。
1枚のドアを隔てた先に居る黄瀬涼太は必死に息を殺している。
俺の口を抑える手にも力が入っている。
あーと俺は思った。
だいたい、黄瀬を見た時点で予想がついていた。
人気モデルって大変なんだなと黄瀬の横顔を見ながら思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 28