アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
橙色と緑色2
-
少しの間、お互いの顔を見て固まっていた俺たちは、俺が先に顔をそらしたことによって、終わった。
お互いが帝光中の制服を着ていて、はたから見たら同じ制服を着た男子中学生が、2人で見つめ合っているみたいな謎の光景になる。
『…あの、これどうぞ。』
緑間がこのふりかけを取ろうとしたということは、まだラッキーアイテムを買っていないということだろう。
なら、ふりかけは緑間に譲ろう。
ラッキーアイテムがないと、色々と大変なことを俺は知っているから。
「いや、お前の方がふりかけに手を伸ばしたのが早かったのだよ。」
…初対面でお前呼びとは、流石女王様(笑)
『いや、大丈夫!今日の朝の占いで、このふりかけがラッキーアイテムだったから、買ってみようかなって思っただけだから。』
「…!お前は蟹座か?」
凄い真剣な顔で聞いてくる。
『えっ…う、うん。』
「そうか…。」
緑間は、何やら考えている様子である。
って、あんまりゆっくりしてると遅刻する!
『じゃあ、俺はこれで!』
俺は急いで、学校に行った。
急いで行ったので、余裕で間に合った。
緑間を置いてきてしまったが、遅刻しないだろうか…大丈夫かなと思っていたら
「おい。」
後ろから声が聞こえた。
誰に言っているのか分からなかったが、とりあえず振り返ってみる。
『あ…。』
緑間真太郎だった。
「これを、お前にやるのだよ。」
緑間は、何かが入っている小さな袋を俺に渡した。
『?』
そっと、袋の中を開けてみる。
袋の中は、小瓶に入ったふりかけだった。
『これは?』
「お前も、ラッキーアイテムがないと困ると思ったのだよ。」
緑間は、照れくさいのか俺の顔を見ず斜めの方を見ながら喋った。
よく見ると、顔がほんのり赤い。
『わざわざ、ありがとう。』
「…たいしたことではないのだよ。」
メガネをクイッと上げながら、そう言った彼を俺は、何か可愛いなと思った。
『ねえ…君の名前、教えてくれる?』
時計を確認したら、まだ時間があったので緑間に聞いてみる。
「…緑間真太郎なのだよ。」
『真太郎か!俺は、橙山美月。』
『よろしく!』
と挨拶をすると
「…あぁ、よろしくなのだよ。」
コレが俺と緑間真太郎の出会いだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
28 / 28