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橙色と水色1 黒子side
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皆さん、どうも黒子テツヤです。
ボクは影が薄くて、中々気付いてもらえません。
同じ幼稚園に通う子どもたちも、幼稚園の先生も
中々、ボクを見つけてくれませんでした。
一緒に遊んでいたのに忘れられたり、声をかけて驚かれたり…中には声をかけて泣き出す子もいました。
……そんなボクには、友だちがいませんでした。
最初は遊んでくれる子もいましたが
「テツヤ君は、影が薄くてどこにいるのか 、分からないから遊びたくない。」
と言われて誰も遊んでくれなくなりました。
…ボクは独りぼっちでした。
ボクは悲しくて……どうして、誰もボクに気付いてくれないんだろう。
……どうして、誰もボクを見てくれないんだろう。
そんなことばかり考えていました。
……そんな時、君と出会ったんだ。
今日もボクは、大きな木の下に独りで座っていました。
この大きな木の下は、ボクのお気に入りの場所で園庭の端にあり、日当たりがとてもいいんです。
風のある日は木の葉が、カサカサと揺れて心地良い音と、風を運んでくれます。
その木は、独りぼっちのボクを優しく包みこんでくれるようでした。
今日は天気が良く、お日様のポカポカ陽気に眠くなって膝に顔を埋めて寝ようとしていたら、誰かが近付いて来るのが分かりました。
でもボクは、気にせず寝ようとしました。
どうせ、ボクには気付いていない。
今までだって、向こうからボクに気付いたことなんて、一度もなかったんですから……。
きっと、これからここに来る子もボクのことなんて、見えていないだろうと思っていたら
『ねぇ、君大丈夫?どこか痛いの?』
声をかけてきました。
最初は、誰に話しかけているのか分かりませんでしたが、ここにいるのはボクだけです。
まさかと思って顔を上げると…‥その声をかけてきた子と目が合いました。
えっ…ボクが見えている?
驚いて固まっていると、その子もボクの顔を見て少し驚いたような顔をしましたが、すぐに心配そうな顔をして
『大丈夫?』
と聞いてきました。
ボクは、ハッとして
「だ…だ、大丈夫です!」
慌てて答えました。
すると……
『良かった!ケガでもしているかと思ったから、 安心した!!』
その子はそう言って
『俺の名前は、橙山美月って 言うんだ!よろしく!!』
手を前にさしだしてきました。
ボクは握手だとすぐに気付いて
「ボクは黒子テツヤです。よろしく お願いします」
ボクは立ち上がって握手しました。
すると、美月君はニコッと笑って
『よろしく!テツヤっ!!』
と言いました。
ボクも美月君に習って
「はい、よろしくお願いします 。 美月君!」
久々の笑顔で言いました。
……コレが…ボクと美月君の出会いでした。
美月君と出会って、ボクの世界は大きく変わりました。
美月君は、ボクと毎日一緒に遊んでくれました。
他の子が美月君を遊びに誘った時は
『テツヤも一緒に遊んでいい?』
とボクも一緒に遊べるように言ってくれました。
最初はボクが一緒に遊ぶことに、嫌な顔をする子もいましたが
『遊びは、人が多い方が楽しいでしょ?』
という美月君の言葉のおかげで、ボクもみんなと遊ぶことができました。
……それからボクもみんなと普通に、遊ぶようになって友だちができました。
ただ、1つだけ…美月君と出会った後から変わらないことがあります。
それは…‥…美月君がボクのそばにいてくれることです。
ボクも美月君のそばにいます。
美月君のそばは、すごく居心地が良くて落ち着くんです。
美月君は、ボクを見つけてくれたまるで太陽のような暖かい人です。
美月君はボクの一番の友だちです。
これからも、友だちでいてくださいね……美月君。
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