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かくれんぼ2
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「ジャンケンで鬼を決めよー!」
と言うリサちゃんの声で、みんな輪になってジャンケンをする。
懐かしいなぁ〜なんて思いながらチョキを出したら、私以外グーで私が鬼になった。
「美月君が鬼ね!30数えてねー。」
リサちゃんは私に言うと
「よし、みんな隠れてー!」
と叫びながら、キャアキャア言いながら隠れに行った。
…テツヤ以外は……
「…美月君…‥。」
テツヤは、今にも泣きそうな顔で私の服の裾を握ってきた。
えっ……どうしたの?
『…テツヤ?どうしたの?どこか痛いの?』
私が聞くとテツヤは 、首を横に振った。
「……美月君と一緒に隠れたかったです。美月君が一緒じゃないと嫌です…。」
テツヤは俯きながら、私の服の裾を握っている手に力をこめた。
私は服の裾を握っているテツヤの手を、裾からはずすとその手を両手で握った。
『俺もテツヤと一緒が良かったよ?でも、ジャンケンで決まったこと だから仕方ないよ?』
私はテツヤに言い聞かせるように、握っているテツヤの手に力をこめた。
…テツヤは俯きながら、うなずいた。
……テツヤはしっかりした子だから、こんなワガママを言ったって私を困らせるだけだと、分かってはいるのだろう。
それでも、私と一緒がいいって言ってくれ嬉しかった。
「テツヤ君、はーやーくー!」
リサちゃんがテツヤを呼ぶ声がする。
『ほら、テツヤを呼んでるよ? 早く行っておいで。』
私が握っていたテツヤの手を放すと、名残惜しそうにリサちゃんのいる方へ走り出そうとした。
『テツヤっ!』
テツヤが走り出す前に私が、テツヤを呼び止める。
テツヤはこちらを振り返る。
私は振り返ったテツヤの頭を、ワシャワシャと撫でて
『必ず見つけるから、待ってろよ!』
笑顔でテツヤに笑いかけた。
「…っ!///はい!」
テツヤは元気良く返事をして、リサちゃんのいる方へ走って行った。
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