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かくれんぼ5
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私はテツヤと出会った大きな木の所まで走っていた。
幼稚園児の短い足では、うまく走れなくてもたつきながら走った。
数十メートルの距離を数百メートル走ったかのように感じながら、大きな木の所まで行った。
思ったとおり、そこにはテツヤがいて出会った時のように、膝に顔を埋めて座っていた。
私はテツヤにそっと近づいて
『テツヤ!みーつけた!』
笑顔で言った。
〜黒子 side〜
ボクは美月君が見つけてくれるのを、待っていました。
美月君と初めて出会った時のように、膝に顔を埋めていました。
美月君なら見つけてくれる。
きっと大丈夫だと思いながら、美月君を待っていると誰かがこちらに走ってくる足音が聞こえました。
美月君かなとドキドキしながら、足音が近づいてくるのを待ちました。
足音が止まると
『テツヤ、みーつけた!』
待っていた美月君の声が聞こえました。
ボクは顔をあげて
「…見つかっちゃいました。」
と太陽のように暖かい美月君の笑顔に、泣きそうになりながら言いました。
やっぱり、美月君は見つけてくれた。
……美月君、見つけてくれてありがとうございます。
「美月くーん、テツヤ君見つかったー?」
テツヤと手を繋いで、リサちゃんたちの所に戻るとリサちゃんが駆け寄ってきた。
『うん、見つかったよ。』
私の後で隠れているテツヤが、見えるように私はテツヤの隣に並んだ。
テツヤを見たリサちゃんは
「これで全員見つかったねー!かくれんぼは、鬼の美月君の勝ちー!!」
とみんなに聞こえるように大きな声で言った。
「リサちゃんたち、そろそろおむかいが来るから戻ってきてー!」
幼稚園の先生に戻ってくるように言われ、私たちははーいと返事をして園舎に入った。
『テツヤ。』
「何ですか、美月君?」
『かくれんぼ、やって良かった?』
「……はい。今日かくれんぼをやって、少しかくれんぼが好きになりました。」
テツヤは嬉しそうに私にそう言った。
「今度かくれんぼする時は、一緒に隠れましょうね。」
『……俺、ジャンケン弱いんだよなー。』
私が言うとテツヤが
「じゃあ、ジャンケンで勝てるように特訓しましょう!」
と言って、私かテツヤのむかいが来るまで、2人でずーとジャンケンをしていた。
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