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言い訳
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「んだよ、これ………」
八尋の目に飛び込んできた光景
それは、一人の男子生徒が浬の足元に腹を押さえ悶え倒れていたのだ
浬は息を切らして今まで見たこともないような
目を見開くようにその男子生徒を見つめ立っている
「おい!!これは一体どういうとこだ?」
「―――っ!!
や……ひろ……!?」
声を発すると浬はビックリした様子で八尋を見る
八尋が来たことに今気づいたようだ
そして凄く焦った様子だ
「まさか、お前がやったのか?」
「八尋……ちが…これは……」
すると倒れていた男が起き上がり浬の言葉を遮って驚くべき事を言い放った
「こいつ、俺は何もしてねぇのに蹴ってきやがった」
「え………」
男の出鱈目な言葉に浬は何を言っているんだと思うも否定する前に八尋が胸ぐらを掴んできた
「てめぇ!!本性現しやがったな吸血鬼」
「ち、ちが……待って八尋!!
聞いて、最初に向こうが―――」
「言い訳はいい
帳もこんなやつ家に置きやがって
ぜってー許さねぇ」
「………っ」
八尋の手に力が入り浬の首を圧迫する
それに気づいた八尋はぱっと手を離した
そして漸く手が離れた浬はごほごほと咳き込む
それを見た元凶の男はその場を離れた部屋から出ていった
浬は勘違いしている八尋にどうにか濡れ衣を晴らそうとするも一切聞き入れはしなかった
どうすれば信じてくれるのかと浬は色々な考えるもどれも言い訳のように聞こえてしまうだろうと信じてほしいと言うことしか言えなかった
結局それも八尋は聞き入れなかったのだが
それから暫くして八尋と浬が戻ってくるのが遅いとクラスメートが呼びにきた
「お~い、いつまで経っても戻らないから呼びにきたんだけどなんかあった?」
「ああ……ちょっと……」
八尋が言葉を濁し口を噤む
それで何かがあったんだと理解するクラスメートの男子が浬の方に目をやる
「もしかしてまだ体調良くないのか?
顔色も悪いし」
「え、えっと……う、うん
まだちょっときつい…かな……?」
咄嗟にそう嘘をついた
外を見ると天気は晴れてきて昼ともあって陽光も厳しいものになっている
それにこの状況で何かをする気力もない
「そっかじゃあそう伝えとくよ
ゆっくり休めよ」
「うん、ごめん……」
クラスメートの人が保健室後にする
それに続いて八尋も保健室を出ていった
浬は彼を引き留めようと手を伸ばすが引っ込めた
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