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二通のメールと、2人の命。
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トイレの個室で、ただただ座ってボーっとしていると、メールが来た。しかも、二通もだ。携帯を開くと、そこには、別々の人物からだった。一人目のメールを開く。一人目は、黒尾だった。
『おーい、大丈夫かー?もうすぐ授業始まるけど。具合悪いなら、先生に言っとくかー?』
だった。黒尾に『じゃあ、先生に言っといて。俺、担任に一言言ってから帰る。』
と、返信すると、すぐに帰ってきて、そこには『了解。』の文字が書かれていた。それを、確認すると、もう一つのメールを開く。人物は、菅原だった。
『ヤッホー、夜久くん久しぶり~。元気?俺は、元気!夜久くんも体無理しないようにね~。じゃあね。 スガ。』
と、書いてあった。そのメールに少しだけ頬が緩む。何とも良いタイミングなのか、悪いのか、はたまたどちらでもないのかと思うが、不安が、少しだけ軽くなった。やはり、スガくんはスゴイなぁ、と思った夜久だった。そして、立ち上がり、トイレを出る。行き先は、職員室だ。
職員室に着き、担任に一声かけ、了解を得て、玄関へと行く。靴に履き替え、玄関を出る。先程、担任が最後に言った言葉を思い出した。
担『夜久、余り無理はするな。病気もだが、お前には新しい命がお腹の中に眠っている。だから、余り無理だけはするな。』
夜『…はい。ありがとうございます。』
担『いいんだよ。それに、その事は、職員全員は知っている。お前の事は、皆心配してるんだ。だから、何かあったら、近くにいる先生に助けを求めろ。お前の中には、大切な命がある。何かあってその子が死んだら俺達は嫌だ。それで、お前も病気で死ぬのも嫌だ。俺達は、お前とこの子の命を救いたいから。だから、迷惑を沢山かけろ!な!ハハハハ!』
その言葉が今でも頭の中で反映している。
そう。夜久のお腹の中には、新しい命、つまり赤ちゃんがいるのだ。
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