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「なあ」
「んだよ、まだ笑いたりねーの?」
「違くてさ、そんなに本気なら告れば? って思ったんだけど」
「あ、無理」
即答する俺に流石のザッキーも苦笑を浮かべた。
そりゃ俺は下半身も頭もユルユルだが超えちゃならないラインぐらいは分かる。
「まあ男云々有るのは分かるけど、一祈さんってさ。 俺も知ってるけど同性愛にとやかく言うタイプじゃないんだろ?」
「だろうな〜、あの人の口から他人の悪口を聞いたことねーし」
「なら潔く振られて来いよ」
「玉砕決定なのね」
「……まあムカつくけど確かにお前顔は良いし1ミリくらいなら希望あるんじゃないか?」
「ザッキー俺のことかっこいいって思ってたんだな、いい事聞いたわ」
「お前のその性格は死んでも好かないけどな」
普段から貶してくるザッキーからそんなプラスな言葉を聞いたのはまじでレアだ。
ちょっと嬉しいし、男にカッコイイと言われるのって特別だと思う。
それに何よりも、ザッキーなりに何だかんだ俺を気にしてくれてるのもわかるから。
だけど事はそんな簡単じゃない……
何より一番の難関は一祈さんが恋愛潔癖症って事なんだ。
その潔癖症を知ったのも最近の話で、それを知ったことは俺にとって確実にマイナスに働いてる。
三ヶ月前、あの事がキッカケで俺は一祈さんに恋をしてその瞬間に失恋をしたわけだから。
***
「紺野、帰ろう〜」
「あ、先校門行ってくんね? 後から追いかけるから」
「はーい」
いつもと変わらず部活が終わってその日鍵当番だった俺は部室の戸締まりをしていた。
「あっとっは〜、更衣室で終わり〜」
今日の部活結構しごかれたし早く家帰って寝るか遊ぶかしなきゃやってられない。
だから、ちゃっちゃと終わらせて帰ろうとした時、体育倉庫から物音が聞こえてきた。
下校時間ギリギリな上に真っ暗な中誰かいんのかと思って、面倒だけど鍵当番だし念のため確認するしかない。
後から文句を言われるのも嫌だし。
「……ッ……!……ろ!」
「……。 …っ?!」
1歩、1歩、歩み寄る度にやっぱり倉庫の中から誰かの話し声が聞こえてくる。
こんな時間に何してんだ、さっさと帰れよって不満が湧き上がる。
鍵当番の俺のせいにされんだから、校則は守って欲しい。なんて万年校則違反の俺が言っても説得力が無いってものだ。
でも、まあ少しのめんどくせー気持ちと何かあんのかもって好奇心があったのも事実で。
体育倉庫に近づけば近づくほどその声はハッキリとしてきて、それはただの会話じゃなく言い争いだって事に気づいた時には早歩きになっていた。
「鳳!」
「だからっ」
「お願いだ、好きなんだよ」
「ヒッ……! や、めろ……っ」
ガタガタと物音が激しくなる。
微かに聞こえてきた会話の中に聞き覚えのある名前があった。
――ん? おおとり?
おおとりって、一祈さんの事か?
この学校でそんな珍しい苗字してるの一祈さんぐらいだろ?
そうそう被るような名前じゃない。
じゃあ中にいんのは一祈さんと……もう1人男か?
「や、辞めろって!」
「鳳ッお願いだから逃げないで」
「む、無理ッ! やめろ……来るなってば……!」
「なんで避けるんだよ!」
「ひっ……! や、やだ、いやだ!」
そんなこと呑気に考えていると中から一祈さんの叫び声にも似た声が聞こえてくる。
え? 一祈さん襲われてる?
ただ事じゃない。
そう思った途端弾かれるように体は駆け出していた。
体育倉庫の前まで辿り着くとなりふり構わずドアを叩いて叫びかける。
「一祈さんっ、一祈さん中居んの?」
「――ッ、純!」
「一祈さん?」
「や……っめろ! 純ッ、助けて!」
「待って、今開ける!」
一祈さんの助けに応じて、運良く鍵当番で預かっていた鍵を使って中から締められた鍵を開ける。
重い扉を横に押し広げて足を踏み入れ時、中の状況にドキリとした。
「何して……」
一祈さんはマットの上に押し倒されていて、乱れている。部活の時に着る練習着とかはだけてるし。
まさに今にも何かをおっぱじめちゃいそうなそんな怪しい空気。
「おい、退け変態野郎」
「じゅ……純っ! いいから行こう!」
「は? でもコイツ……っちょ、一祈さん!」
一祈さんを押し倒しているやつを押し退けた途端、立ち上がった一祈さんに手を引かれて何が何だかわからないまま倉庫から駆け出す。
一瞬のことで相手の顔も見えなかったし、何より今にも襲われそうだったのに、何もしないままで良いのかとかなんか色々思う事があり過ぎる。
でも、それよりも助け出した時の困惑した表情とか目に涙溜めて震えてる姿とか……
さっきの一祈さんの姿があんまりにもエロくて意識はそっちにばかり向いていた。
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