アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ゴリラ
-
一時間目。数学。
教師が教科書に書いてある事を偉そうに読む。俺はもう読んだ。寝る。
二時間目。国語。
教師が筆者の気持ちを偉そうに語る。どうでも良い。寝る。
三時間目。社会。
教師が教科書に書いてある事を偉そうに読む。俺はまだ読んでない。寝る。
四時限目、体育。
準備体操の時身体が軋んだ。腹が痛い。着替えの時見たら青くなってた。
卓球をしろと言うから相手を探した。
いなかったから一人で隅に立ってた。
立ってるのに疲れたから座った。
いっつも同じジャージ着てるゴリラみたいなやつが近づいて来た。
「明石、お前何やってるんだよ。おら、立てよ」
手を掴まれて無理やり立たされた。痛い。
「おい、授業中だってわかってんのか?」
「はい」
「はいってお前、舐めてんのか?おい」
鎖骨の間を殴られた。痛くは無い。
「いいえ」
「・・・お前他の授業でも態度悪いらしいな、生徒指導室来たいのか?あ?」
また殴られた。今度は少し痛い。
「いいえ」
「・・・お前いい加減にしろ」「あ、ぁのっ」
だからお前嫌いだって。
「あ、かし?だっけ?ごめんな気付かなくって。先生、こいつ一人で余っちゃってて」
「お前は・・・藤宮、だよな?確か。ははっ悪い、あんまり覚えるの得意じゃないんだ。
で、何だ、そうだったのか。悪いな明石、痛かったか?」
鎖骨の間を撫でる。気持ち悪い。何だろう、何かに似てる。
「いいえ」
「それじゃあ今から始めるんで。いこーぜ、明石」
だからお前嫌いだって。手、勝手に掴むなよ。
あれ、さっきのゴリラも掴んでたよな?
「あーかーしっ、ほらほら自分で歩けー」
押すな。触るな。話しかけるな。
「お、帰って・・・あいつマジかよ」
「おっほっ、明石連れて来たぞあいつ」
「あのさ、明石入れても良い?丁度偶数になるし」
「あーいや、何っつうか、いいけど・・・明石、やるか?」
「やる」
「やらない、え?」
「はい恥ずかしいよこの人」
「え、いや、やんの?明石」
「やる」
「いいじゃんいいじゃん、なら俺明石と組む」
「は?お前俺と組むんじゃねぇの?」
「おい、藤宮が組まねぇと俺かお前が組むことになるぞ」
「あー、でもなぁ」
「おーいお二人さーん、何こそこそ喋ってるんですかー?」
こそこそもなにも、全部聞こえてるけどな。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 48