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あーちゃんの苦悩 Side葵
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俺、やっぱり嫌われたのかな。
あーちゃんと一緒に教室に戻りながら、俺はそんなことを考えていた。
ふと、そのあーちゃんが口を開く。
「ねぇみーちゃん」
「ん?」
「さっきは、ごめんね。黙っててとか言っちゃって」
「あーいや良いよ別に。気にしてないし」
「うん」
また静かになる。
授業はもう始まってるのかな?だったら恥ずかしいな。
「俺さ」
「うん」
「みーちゃんの事は大好きだけど、明石の事は、嫌い・・・だった」
それはなんとなく分かってた。
でも、『だった』って何だろ?
「ありがと・・・今はそんなに嫌いじゃないのか?」
「嫌い・・・じゃないのか分かんないんだけど。さっきあいつ俺の質問に考えたことがあるって答えたじゃん?」
そういえば、言われてどんな気持ちになるか考えたことあるかって言われて『ある』って言ってたな・・・結構こたえたかも、俺。
「それでさ、俺聞いた瞬間に頭に血が上ってあんなこと言ったけどさ、よく考えたらおかしいんだよね」
「・・・どういう意味?」
「んー、よくわかんないんだけど、いつもの明石なら『無い』って答えそうだなって思って」
それは、俺には分からない。当たり前だけど。
考えてみたら、知らないことばっかりだ。
「それで、何で嫌いじゃなくなってるんだ?」
「んんー、何かこんがらがって来たな。えーっとね・・・分からん。でも何かもうちょっと考えてから喋れば良かったかなーって思ってね。それだけっ、さっ、じゅぎょーに行きますよー!」
あーちゃんは考えるのが嫌になったみたいでいきなり雰囲気が変わった。
でも廊下で騒いだもんだから普通に先生に怒られてて、少し笑いそうになった。
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