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会話
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「あーかーし。はよっ」
背後から最早日課のように声が掛かる、そういえばこの道は相変わらず通るんだな。
「おはよう」
「今日一時間目何だっけ?」
「体育。また卓球かもな」
ふと、藤宮からの返答が途切れた。
何かあったのかと思いそちらを向くと、その大きな目を瞬かせて俺を見ていた。
「どうした?」
「今、明石自分から・・・いやっ、何でもないっ。そっか体育か。あ、卓球だったらまた一緒にやろーぜっ」
「分かった。後の二人には言っておいてくれ」
「・・・おうっ」
その後も藤宮は妙に楽しそうに、いつもの倍ぐらいの音量で話しかけて来た。
教室でいつものように朝の準備を終わらせると、本を図書室に返していたことに気付いた。
雨も降っておらず窓を見てもまぶしいだけだったので、手持無沙汰にぼんやりしていると藤宮と一緒に見覚えのある二人が来た。
「明石、今日やっぱり体育卓球だってさ。今の内にペア決めしとこーぜ」
「分かった、どうやって決める?」
じゃんけんか、裏か表か、俺がそう考えだした時、不意に一人が口を開いた。
「・・・明石、何か機嫌良い?」
「いや別に。何で?」
「何か、普通って言うか・・・なぁ?」
「うん、会話になってるって言うか、でも良いぜそっちの方が」
会話・・・家で散々光と話しているのが関係しているのか?
今までは家に帰っても話す相手が居なかったから、少し慣れて来たのかもしれない。
「分かった。それでやっぱりじゃんけんにするか?」
「えーまたじゃんけんかよ、俺もう負けたくないんだけど」
「じゃんけんにか?試合にか?」
「両方」
「だろうな、まぁ勝てばいいんだよ勝てば。じゃあいくぞ」
さいしょはぐー・・・
「お、俺明石とだな」
「よろしく」
「あー何だろう、この明石むずむずすんだけど」
「俺明石と組みたかった」
「ふーじみーやくーん?聞こえてますよー」
「あ、う、嘘嘘。めっちゃ楽しみっ。おっしゃ見てろ明石っ、絶対勝ってやるからなっ」
そうしてペア決めが終わった頃、朝礼を始める予鈴が鳴り、俺らは一度解散した。
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