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今回の職場 8 sideミツルギ
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「……お疲れ様です」
「起きてたか。仕立屋」
「仕立屋じゃない、水蘭田」
「ミランダ?ハーフか?」
「日本人だバーカ」
まだ眠いのか、猫のように目を擦りながら俺様を罵ってくる。
「水蘭田君、送っていこうか?」
「…お気になさらず……ふあ…」
あくびを噛み殺しきれず、あくびしながら片付けに入っていくミランダ。
「ミツルギ君、水蘭田君にちゃんとお礼言いなよ?昨日マサキ君の殺陣にギリギリまで付き合って、そのまま徹夜でエプロンとスラックスしあげたって言うんだから」
「あぁ」
ミランダの仕事を目で追いながら相槌を打つ。
眠いと言っていたわりには素早く仕事を片付けていっている。
衣装責任者は、衣装だけじゃないのか?
「水蘭田君がやってるだけだよ。衣装はそこまで仕事がなかったみたいだし」
ようやく片付けが終わったらしく、ミランダは帰り支度を整えていたところを、後ろから呼ぶ。
「ミランダ、このあと暇か?」
「暇じゃない」
「仕事か」
「……寝る」
それが仕事だと言わんばかりに帰ろうとしたので、車で送ると言ったが断られた。
「他人の車はあまり乗りたくないんでね」
「家知ってるし…ダメかな?」
「………いい」
踵を返し、ミランダは一人で帰っていった。
「手強いな」
「だろ?」
「恋人はいないようだし…近いうちにでも、だな」
「まずはどうやって誘うかだけどね」
俺と木崎は、静かに口許を歪めた。
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