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薄原家極秘調査 side琥珀
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茜を呼び出し、俺の部屋に向う。
「茜は、どうするつもりだ」
「翡翠さんの支えになる」
邪魔しないでくれる?と憎らしい口を叩くが、今回はけんかしている暇はない。
「翡翠の家を調べさせる。あの兄たちが今頃、血眼で探しているだろうからな」
「兄貴、マジで言ってんの?」
「あぁ。どうやら俺も、翡翠に惚れたらしい」
「あげないよ」
「最初からお前のものでもないだろう」
一応お袋に応急処置をしてもらっているが、まだ治療の必要な部分は多いだろう。首に巻いていた包帯も気になる。
「あ、そうだ兄貴」
「……腕のいい、外科医?」
「そ。翡翠さん、入れ墨されてるから」
聞けば背中だけでなく腕にもあるらしい。衣類でぎりぎり隠れる部分に。
「お袋のコネでいけるだろ。あとは……カウンセラーか」
「それなら、真音でいいんじゃない?」
確かにあいつは翡翠と仲が良い。信頼関係にあるし、カウンセラーとして向いているとも思えるが……
「あのー」
「ひぇっ!?」
「そろそろお暇したいんですけど」
「え?」
真音曰く、明日は学校ですべきことがあるらしい。翡翠はそれを知っているので、遅くならないうちに帰ることを勧めたそうだ。
「送っていく」
「助かります。僕も面倒ごとは避けたいので」
カタギでは無いこの空間に、一時的とは言えど踏み込んだ。肝は据わっているようだがまだ高校生。
「茜さん、僕の連絡先です。何かあったら連絡ください。と言っても平日の日中は学校なので、メールか、夕方に」
「わかった」
「それから」
俺に向き直る真音。片目だけ出したその顔が俺を捉える。
「翡翠さんは黒い服が嫌い、怖いです。背広とか。今後、そういう格好で近づかないでもらえますか」
俺の身に纏っていたものを一瞥して吐き捨てるように言う。
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