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元・闇医者のお袋 side琥珀
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真音を舎弟に送らせ、翡翠のいる奥座敷に向う。
「あら、遅かったじゃ無い」
「お袋……」
俺たちのお袋。今は月萩組の頭であるオヤジの妻だが、若い頃は「今でも若いわよ!」……名の知れた闇医者だった。オヤジが惚れ込んで……あとは知らないし興味ない。
「お嬢さん、呼吸が落ち着いてるわ」
「……さっきまで起きてたはずだぞ」
「安心しちゃったのかしら」
枕元にはカラになったグラス。かすかに水滴が残っている。
「……何飲ませた?」
「睡眠薬。軽いものよ」
落ち着いているとはいえ、うなされ、飛び起きるかわからない。泣き出すかもしれない。
「今のお嬢さんは、凄く脆い状態よ。起きていても不安、眠っても悪夢しか見ることができない。今は、無理矢理眠ってもらっているけど……しばらくは、誰かが付いていないと」
「俺が看る」
「馬鹿おっしゃい。茜に頼むわ」
「おい」
「琥珀はお嬢さんの近辺を調べなさい。それまでお嬢さんに近づくんじゃありません!」
お袋の声に、翡翠が少しだけ眉を寄せたが、呼吸が乱れることはなかった。
「お袋、一つ確認なんだが」
「なに?」
「翡翠……女じゃ無いぞ?」
「…………そうなの?」
起きて無くってよかったな、翡翠。
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