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俺達の良いところ side茜
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「背中の、手術ですか?」
身体を起こした翡翠さんが首を傾げながら兄貴の言葉に応える。さっき朝飯の雑炊を「あーん」
で食べ終えてイチャイチャしていたのに、兄貴はすばらしく良いタイミングでぶっ壊してくれる。
「お袋が手術を請け負ってくれるようになった。お前はどうしたい」
「手術、ですか」
後ろから抱きついている俺だけ見えている、翡翠さんの背中の入れ墨。着物だからけっこう見えてる。腕とかには、一応包帯を巻いている。
「なるべく早めに決めておけ。お前が決めていい事だからな」
そっと兄貴が翡翠さんに手を伸ばした。反射的に身体を強張らせて目を閉じるけど、兄貴は髪に触れただけ。
「綺麗な髪だな」
「兄貴、俺の翡翠さんだから」
「俺も惚れたと言ったはずだが?」
「あ、あの、僕を挟んで喧嘩しないでください」
色素の薄い翡翠さんは髪の色も薄い。染めた訳ではないらしいミルクティ色の髪。襟足にそっと顔を埋めるとふわふわな髪が肌をくすぐる。昨日は風呂に入ってないからちょっとだけ汗臭い。あ、でも翡翠さん良い匂い。
「翡翠さん」
「な、に?」
「俺と兄貴、どっちが好き?俺だよね?」
「なっ……」
キスしようと思ったけどやめた。まだ恋人って訳じゃ無いし、翡翠さんがまたパニックになる。
「あ、茜君は格好いいし、その……」
「格好いいし?他にもあるの?」
「背も高いし、えっと……かっこいいし」
「ぷっ、翡翠さん、かっこいい2回目。可愛い」
「可愛くないもん」
可愛いよ、すごく。
「兄貴は翡翠さんとデートしたこと無いし、泊まったこともないから知らないよねー?兄貴の格好いいとこ」
「琥珀さんの、は、えっと……」
あるの!?
「弟思いだな、って……羨ましいなって」
いつもみたいに、ふにゃ、って笑ったんだろうな。兄貴が顔真っ赤だもん。
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