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親父との対面 side茜
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「翡翠さん、それ……」
「えへへ、奥様が」
安静していたけど、少しずつ布団から出て身体を動かしていたらしい。と言っても、部屋から出ることはできないから大袈裟な事はできず、兄貴にストレッチしてもらっていたらしい……おい俺より翡翠さんに触れてんじゃねぇ。
「やっぱり、変、かな?」
柄からして、女物の着物を纏っている翡翠さん。こう見ると翡翠さんって和服似合う……
「奥様がね、家事が得意ならうちで家事全般をやってくれないかって」
「マジで?お袋が?」
「うん。旦那様にはこれからお話に」
一人で親父のところまで行こうとしていたらしく、そこに俺が居合わせた。
「広くて迷った?」
「……うん」
少しだけ照れていた。そりゃ迷うよな。
「親父、今いい?」
「茜か」
障子を開けて、親父に対面する。翡翠さんは少し外で待ってもらっている。
「瑠璃子が新しい家政婦を雇うと言い出してな。なんでも、この前のやつだと」
「俺の大切な人だよ」
「それは別にいい。ただな、相手は一般人だ。巻き込んでしまうのは」
「大丈夫です」
翡翠さんが親父の言葉を切っていた。俺の横に正座すると、背筋を伸ばして親父と対面する。
「僕は、茜君と琥珀さんに救われました。二人がいなかったら、僕は今頃死んでいましたから」
親父の視線は翡翠さんから動かない。翡翠さんの手は少しだけ震えていた。
「茜君は僕を過去ごと受け入れてくれました。僕を正面から受け止めてくれた人です」
「だが、君は」
「親父」
「琥珀」
「らしくないぞ。月萩組の長という者がダラダラ決定を延ばしてどうする」
「兄貴よく言った!」
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