アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
おでかけ
-
「翡翠……着替えないのか?」
「洗濯物、干してしまおうかと……」
「それはお前の仕事じゃない」
「でも……」
洗濯物の詰まった籠を抱えていたら、琥珀さんから呼び止められる。
「そんな細腕でよく持てたもんだ」
「これでも男ですよ?」
「女物の着物着てよく言う」
「これは奥様の趣味ですし、僕連れて来られた時、最低限の格好でしたから」
茜君に運ばれて来たとき、あまり覚えてないけど、下着とTシャツ、短パンだったらしい。この話はここまででいいかな。思い出したくないから。
料理の材料は組の皆さんが当番制で(食べたいものがある人が率先して)買ってきてくれるし、服を借りて行くにも茜君琥珀さんの服はちょっと大きいし。この屋敷がどこにあるのかさえ分からないから帰れないかもしれない。
「奥様も、女の子がいないから~とは仰ってましたけど」
「でもなぁ……」
服、お願いしたいけど、我が儘だよね、匿ってもらってるんだし……
「翡翠?」
「なんでもありません」
我が儘言っちゃだめだよね、別に困ってないんだし。
「琥珀さんはどちらに?」
「特にない」
「そうですか」
それじゃあ洗濯物干してきます、と籠を取り返すとまた取り上げられた。
「……琥珀さん?」
「そんな顔するな」
「え?」
僕、そんな変な顔してたかな……?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
91 / 111