アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
挟み込む番外編-4
-
「翡翠ちゃん、せっかくの美人が台無しよ?」
「良いんです。ていうか、美人って瑠璃子さんの事でしょう?」
カップの紙を外し、ばく、と囓る。うん、我ながら美味しい。
「瑠璃子さんも良ければどうぞ」
「翡翠ちゃん」
太っちゃうなぁ。明日からちょっとおやつ減らさなくちゃ。
「翡翠!」
「翡翠さん!!」
「二人の分はもう、無いですよ」
くしゃくしゃにした袋をゴミ箱に放り込んで、口許を乱暴に拭った。
「翡翠ちゃん、顔拭きましょ?」
「だい、じょうぶです」
「大丈夫じゃないわ。そんなに泣きながら食べてるのを見て、こっちがつらいもの」
泣いて、たんだ。
「翡翠さん、ごめんなさい。勝手に疑って、勝手に浮気って決めつけてた」
「俺もだ。傷付けてすまない」
「そうですよね、勝手に僕だけ二人を特別だって思ってたみたいでしたからね。馬鹿みたい」
今年のバレンタインは、少しだけしょっぱい思い出になった。
「来年は、甘い思い出にしてあげる」
「その前に、俺達にチョコは無いのか?」
「材料使い切ったので」
「明日、買いに行こうね、いっぱい買って、一緒に作ろ?」
あれ、めっちゃ甘いバレンタインにするつもりだったのに……いつの間に……
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
98 / 111