アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
拾い者 3
-
流石にもう帰ってるよなぁ…帰ってくるなり通報されたらどうしよう……
なんて思いつつ、僕は呑気に帰っていた。
「ただいまー」
「おかえりなさーい」
「……ん?」
聞き覚えのない声に、転けそうになりながら靴を脱ぎ捨てリビングの戸を開けると、銀髪の青年がソファに居た。
「……帰ってると思った」
「え、俺、結構義理堅いよ?!恩知らずじゃないよ?!」
「……君、家は?」
「いいよ。勝手に探してるし。その内見つかるよ」
随分気楽な子だな……僕より年下に見えるけど……
「ごめん、ちょっと着替えてくる」
「あ、それは気にしないで!俺なんかペットだと思ってくれて良いから!」
「……拾ってすぐ、ペットって言うのもどうかと……てか君人間でしょ」
頓珍漢な事を言っていたので、サクッと流して着替える為に脱衣所に向かう。
「おかえりなさーい」
「2回目だね」
ラフなVネックにコットンパンツに着替えてきた。
首の包帯は聞かれないことを祈る。
自称ペットの子は大人しくソファを陣取っている。
「おにーさん、何て言うの」
「え、僕?」
「っその前に、助けてくれてありがとうございました!見ず知らずの俺にここまでしてくれるなんて……!」
「ちょ、待って待って頭上げて!」
名前を聞いたと思えば、答える前に頭を下げられた。行動が早すぎて着いていけない。
「とりあえず、頭上げてくれないかな?」
「あ、うん」
カフェオレを出し、向いに座る。
「僕はこの部屋の住人の薄原翡翠」
「俺、月萩茜です!」
「月萩君…改めて聞くけど、親に連絡しなくても良いの?」
「大丈夫っす!」
「え、でも僕下手したら犯罪者……」
「ホント大丈夫っすから!」
「え、でも……」
慰謝料だとか言われても、僕に払えるお金はない。
居酒屋の裏方をやっているけども、そこまで稼げている訳でもない。
自問自答していると、僕の部屋の呼び鈴が鳴った。
「ごめん、ちょっと見てくるね」
「お構い無く!」
こんな時間に誰だろう……何か注文した記憶もないし……
玄関の扉を開けると、190センチ近い黒いスーツの男の人と、その後ろに違う黒いスーツの男の人達が居た。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 111