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拾い者 9 side琥珀
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「………今度は何が恐かったんだ」
「……後ろから抱き着かれて……つい」
「それもダメなの?」
「前からは平気ですけど……後ろからだと……その……」
「じゃあ今度は前からいい?」
「今度もクソもあるか。茜、帰るぞ」
襟首をひっ掴んで引き摺るように連れていく。
「いーやーだー!翡翠さん助けて~!」
「え、えっ、えぇ?!」
「助けなくて良い。お前もさっさとこの事は忘れろ」
「翡翠さん忘れないで~!」
ふざけたことを抜かす愚弟を、軽く絞めると大人しくなる。
「あ、あのっ、お兄さん!」
「お前に兄と呼ばれる覚えはない」
「すみませっ…あ、あの…これ、茜君の……」
「俺のブレスレット!」
茜が半場跳ねるように、ブレスレットを持った眼鏡に飛び付く。
「汚れてたので、できる限り綺麗にしたのですが……」
「マジで?!わー嬉しい!お気に入りだったんだ!」
「お役に立ててよかったです。余計なことをしたかと……」
「全然!むしろ感謝だよ~!!」
これ以上なつかせるのも癪なので、無理矢理眼鏡から茜を引き剥がす。
「もー酷いなぁ兄貴は。あ、翡翠さん、アドレス教えて!」
「不要だ。さっさと帰るぞ」
「えー良いじゃん。翡翠さん、お礼は改めて!だからアドレス教えて!!」
「え、えっと」
俺の顔色を探るように視線を向けてきたので、断れと言う視線を送り返してやった。
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