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最悪招来。招かれざる客
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茜君を見送って、朝食の片付けと洗濯を済ませようとリビングに戻る。エプロンをつけてから洗濯を先にやってしまおう。
「回してる間に食器洗っちゃおうかな」
ゴウンゴウン音を立てる洗濯機を置いて、キッチンに戻ろうとしたら、机に置きっぱなしだった携帯が鳴る。特に気にせず着信を止めると、聞きたくなかった声が耳元で木霊する。
『今、お前の部屋の前』
『開けろよ』
携帯が音を立ててフローリングに落ちる。に、逃げなきゃ。
「おーい。居るんだろー?まぁ、合鍵あるから入れるけど」
なら、合鍵で入ればよかったじゃんか。僕が逃げられないって知ってたくせに。
「久し振り?翡翠」
「兄さん……う゛ッ」
「お兄ちゃん、だろ?」
「お兄様、だろ」
呼び方を統一しないのはわざとに決まっている。兄さんと呼んだだけでお腹に蹴りが一発。さっき食べた朝ごはんが逆流する。
「ご、めんな、さい。紫紺お兄ちゃん、鉄紺お兄様」
「そうそう。いい子だな、翡翠」
「お兄ちゃん、待たされて喉渇いたなぁ。珈琲ある?」
「あ、ぅ……はい」
「俺紅茶でー」
何から何まで反対にする。僕が困る姿が無様で余程面白いんだろう。
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