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小瀬の過去3〜回想〜
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和哉くんが、髪の毛が短い方が似合うと思うと言ってくれたから、思いきって全体的に髪を切り、前髪も短くした。
瓶底のように分厚い眼鏡をかけるのもやめて、己の本当の姿で学校に行くことにした。
もしかしたら、また今までのように男子たちから虐めに遭うかもしれない。でも、何故か和哉くんがいれば、それだけで大丈夫な気がした。
和哉くんは1年4組なのに対し、俺は1年1組、と見事にクラスは離れてしまったが、階は同じなため会いにいこうと思えばいつでも会いにいける。
ーー挨拶くらいなら、いいかな。
そう思い、4組のドアに手をかけ教室を見回すと、教室の前の方に和哉くんの姿が見えた。
「和哉くーー『和哉!』
ちょうど和哉くんを呼ぼうとした時、見知らぬ男の子と声が重なった。その彼は色白で、栗毛色のくせっ毛をふわふわと揺らしながら笑顔で和哉くんの名前を呼んで走り寄っていく。
和哉くんは、彼を視界に入れた途端ーーとても優しい笑顔を見せた。
「どうしたの涼真?」
「見て見てこの写真ー!」
「なにー?あ、これ幼稚園の時の写真じゃん!こんなのよく持ってきたなー」
へへ、と屈託ない笑顔で笑う可愛い彼の名前は沖 涼真と言い、彼は和哉くんの幼馴染で、和哉くんの好きな人だと知るのは少し後のことだった。
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