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状況
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和哉と小瀬が、キスをしている。
抱き合っている。
……僕の目がおかしいだろうか。
僕の目の前でしている和哉と小瀬のそれは、無理強いされた行為ではなく、相手を求めた故の行為であるように映っている。
「……どういう、ことだ」
ーー静寂を破ったのは来夏だった。
どうやら驚いたのは僕だけではなかったようだ。
来夏はかなり動揺しており、石川も驚きのあまり言葉を失っていた。
「……おお、来夏、久しぶり。元気にしてたか?」
和哉は小瀬を自らの膝の上に乗せたまま、涼真には目も暮れず、来夏に笑顔を向けた。
「………元気にしてたか?じゃねえよ……なんだよこの状況は」
「ん?見れば分かるだろ。キスしてるの」
「そんなの分かってるんだよ!だから、俺は……何でお前は涼ちゃんのことが好きなのにそいつと抱き合ってるんだって聞いてるんだよ…!」
すると、和哉はしばらく来夏をじっと見つめて目を細め、小さく笑った。
「……何がおかしい」
「そんなことお前が言えたことじゃないだろ。涼真はお前のものなんだからさ。……でも、来夏はやっぱり来夏だな。涼真は来夏の恋人なんだし、正直俺が小瀬と付き合う方がいいって思うのが普通だろ?だけど、こうやってライバルであるはずの俺の気持ちを心配して話してくれる」
皮肉を含んだ棘のある言葉に来夏は顔を顰めた。
「ーーだけど、そんなお前が珍しく自分の感情だけ優先して手に入れたがったんだもんな……涼真のこと」
「……悪かった」
「ははっ、別に謝ってくれっているわけじゃねえよ。……幸せなんだろ?それならそれでいいじゃん」
和哉は己の膝の上に乗っている小瀬の脇のしたに手を入れると、自らの胸に寄せた。
「俺は、小瀬と付き合ってるから」
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