アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
恋人
-
「ごめんごめん、和哉に言った気になってたわ。でも和哉、中学の時、『涼真と来夏って性格的に合うよな』とか言ってくれてたじゃん?」
「そんなの俺はお前たちが付き合っていいって言った訳じゃない!」
和哉は我慢出来ず、声を荒げる。
涼真はそんな和哉を見て、何かを察したような顔をした。
「ごめん…俺と和哉と来夏って、近所だし、幼馴染だったから、結構遊ぶ機会あったじゃん?来夏は昔から男らしくて明るくて正義感強くて、もろ俺のタイプだったんだ。だから、気づいたらそういう流れになってた。………ごめんな、俺、和哉が来夏のこと好きだなんて知らなかった。無神経すぎるよな。この通りだ」
涼真が和哉に土下座しそうな勢いで頭を下げる。
……え?
俺が、来夏を、好き?
ーーそんなこと、一度たりとも言っていない。
頭の中で整理がつかず、もやもやしていると、担任が再び教室に戻ってきて、教室にいる生徒たちに早く帰るように促す。
帰っていく生徒たちの波に混ざって、和哉に目を合わさないようにして涼真も続いて帰宅しようとした。
「涼真!」
和哉に後ろから呼び止められ、肩を小さくビクリと動かす。
「…何?」
和哉は、スクールバックを左肩にかけると、涼真の元へと走った。
「……帰ろ」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 92