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これは、恋?
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「どうして、こんな危険な場所へ?貴方の様に年若い天使が、他の悪魔に見つかってしまえば殺されてしまいますよ?」
マナエルの背筋を冷や汗が滑り落ちていく。
ルシファーの口調こそ優しいものの、目の奥は真剣で、その忠告が冗談等ではない事を示していた。
「あ…、お、俺、ごめんなさい…」
急に恐ろしくなって、ボロボロと涙を流すマナエルに、慌ててルシファーがベッド脇に跪いて目線を低くする。
「怒っている訳ではないんですよ。泣かないで下さい…」
ルシファーに言われて、自分が泣いていた事に気づき、マナエルはゴシゴシと手で目元を拭った。
「恐がらせてすみません。ですが、此処はとても危険な場所なんです。それに、御両親が心配しているんじゃないですか?」
そう問われて、マナエルは困った様に眉を下げる。
何故自分が魔界へ迷い込んでしまったのか思い出したからだ。
「お、俺…、ひっく、父さんと喧嘩して、家を飛び出したら、っく、ま、迷っちまって…」
「大丈夫ですよ、ちゃんとお家まで送ってあげますから…ね?泣かないで…」
幼い子供に言い聞かせる様にゆっくりと話しかけ、よしよしと優しく頭を撫でてやると、マナエルはしゃくり上げながらも、ぐっと涙をこらえる。
その姿に、ルシファーは庇護欲と共に愛しさを感じていた。
凄く純粋なこの天使は、きっと生まれてそう年月が経っていないのだろう。
体こそルシファーよりも大きいものの、感情の起伏が激しいのも、生まれて間もないからだろう。
純粋なマナエルが、ルシファーにはとても眩しく思えた。
魔界では腹の探り合いや、騙しあいばかりだ。
そんなルシファーにとって、マナエルの存在はとても希有だった。
目の前のマナエルに、こんなに純粋なものがあるのかと、強く惹かれている自分が居る。
こんな感情は初めてだった。
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