アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
魔王の初恋
-
バタンと勢いよく部屋のドアを開け、廊下へとズカズカ歩き出す。
「あ、丁度よかった、魔王様…、迷い込んだ天使を送り届ける準備が…」
「あ、アポリオン。それは保留で、すぐに天界へ暫く天使を保護する連絡とサリエルを呼んで下さい」
「はぁ!?ちょ、ちょっと、魔王様ーー!?」
叫ぶアポリオンの横をルシファーがマナエルの手を引いて通り過ぎていく。
「ルシファー、どこ行くんだ?」
「暫く、貴方にはここで暮らして貰いますから、城内の案内をしておきますね」
「お、俺ここにいて良いのか?」
「勿論です。好きなだけ居てくれて良いんですよ」
「ルシファー…、めっちゃ良い奴だな…」
ルシファーの下心等知るよしもなく、マナエルはひどく感動している様だった。
父親の怒りが収まるまで帰りたくないと泣くマナエルに、ルシファーはすぐに二つ返事で頷いた。
ウリエルの怒りを買うのはかなり面倒だが、ちゃんと連絡を入れておけば、居所が分かる分、安心だろう。
そして、思うのだ。
これは、真面目に職務を全うしてきた自分へのご褒美なのだと。
いい年をした魔王は、完全に初めての恋に浮かれていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 41