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眠れない
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魔界は随分と暗い。
暗いと言っても、月明かり(というらしい)がいつも静かに照らしてるから、真っ暗闇じゃない。
それでも、いつも眩しい位に明るい天界に比べれば、とても暗い。
もう休もうと与えられた部屋のベットに身を沈めてみる。
ベットはふかふかで凄く気持ち良いのに、何だかひどく心細い。
慣れない環境のせいか、枕が代わったからか、理由なんか分からないけれど、それを自覚してしまえば、余計に眠れなくなってくる。
俺は、どうにも落ち着かなくて、部屋を抜け出した。
ルシファーの部屋の前まで来ると、部屋の番をしている悪魔がギョッとして此方を見る。頭に角が生えていて、ギザギザの羽のいかにも悪魔な彼の名前は、えーっと、確か
「こんばんわ、サタナキア」
「ま、マナエル様!?もうおやすみになられたのでは!?」
「うん、そうなんだけど、眠れなくて。ルシファーいる?」
遊びに来たんだと伝えたら、またサタナキアが慌て始める。
「あ、遊びに!?」
「うん、いる?」
「我が主は、その、今お休み中でして…」
「うん、サタナキアが番をしてるからそうかなって…。入っていい?」
「い、いえ、困ります!」
「どうして?」
「どうして…って…」
敵襲より手強いなぁ、と呟きながらサタナキアが頭を掻く。
いつでも来て良いとルシファーに言われていたから来てしまったけれど、どうやら困らせてしまったらしい。
「ごめんなさい、困らせちゃって…。俺、部屋に戻るね…」
「え、あ、はい。すみません…」
ほっとした表情のサタナキアに申し訳なさを感じて、戻ろうとする。
「何だ、騒々しい」
急に後ろから声がして振り向けば、そこには部屋から出てきたルシファーがいた。
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