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好き。
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ルシファーの部屋に入ると、そこは黒を基調とした家具が置かれていて、ひどく殺風景だった。
魔王の部屋なんて、きっと凄く豪華な家具や装飾品が沢山あると思っていたのだけれど、広い部屋にある家具と言えば、大きな黒いベットと、大きな黒い本棚、黒い机と椅子が一組あるだけだった。
「面白い物が無くて、すみません」
俺の様子を見て、察したらしいルシファーが申し訳なさそうな顔をする。
「そ、そんな事ないよ!格好いい部屋だよな!」
「気を使わせてしまいましたね。天使は金銀やカラフルな物を好みますから、こんな暗い色合いの部屋は初めて見たでしょう?」
「う………」
図星をつかれて、言葉に詰まった俺を見てルシファーが笑う。
「貴方が来てくれると知っていたら、もう少しまともな部屋に模様替えしたのですが…」
「そ、そんな事しなくていいよ!」
「マナエル…?」
「ルシファーの部屋なんだから、俺の為に変えたりしなくて良いんだよ!俺、ルシファーがこういう部屋に住んでるんだって知れて嬉しいよ」
「マナエル…、ですが、僕は貴方に少しでも僕の事を好きになってもらいたいんです…!」
真剣な顔でルシファーが強く俺の手を握る。
そんな事を心配してたんだ…。
「ルシファー、俺、そんな事しなくてもルシファーの事好きだよ!」
「…!?」
「ルシファーは、魔界に迷い込んだ俺を助けてくれて、いつも優しくしてくれる。俺、悪魔って、皆恐い奴ばっかだと思ってたけど、そうじゃないって教えてくれたのがルシファーなんだ…」
「マ、マナエル…、本当に……?」
するりとルシファーの手が頬に触れて、くすぐったい。
ルシファーも、俺と同じ様に思ってくれてるなんて、凄く嬉しい。
「俺、ルシファーの事…」
「ま、マナエル…」
「親友だと思ってる…!!!!」
「…………………」
こ一時間、ルシファーは泣いていた。
嬉し泣きなんて、ルシファーも俺の事親友だと思っていてくれて嬉しいな。
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