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サリエルという天使
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「大変、申し訳ございません」
先程、魔力を食らわせたサリエルが土下座で謝る。
「アポリオンを恐がらせない様にと、毎回忠告していますよね?貴方のその頭は飾りですか?いい加減にしないと魔界を出禁にしますよ。あと、殺しますよ」
「し、しかし、ルシファー!私はアポリオンを愛しているんです!」
熱く語るサリエルに、アポリオンは心底嫌そうな顔をする。
どうして天使というのは、こうも暑苦しいのだろうか。
愛と言えば何でも許されると思っている所も腹立たしい。
サリエルは長い付き合いの友人だ。
少し変わり者の彼は、私が堕天して暫くして、魔界の僕の城へと足しげく通うようになった。
まさか、その目的がアポリオンだとは思いませんでしたけれどね…。
サリエルは天使の中でも飛び抜けて美しい容姿をしている。
銀髪の長い髪に同じ色の宝石を填め込んだ様な美しい瞳。
天界にも魔界にも彼の“ファン”は多い。
それなのに、当のサリエルはと言えば、上品な容姿に相反して、まるでストーカーか変質者の様に、アポリオン、アポリオンと繰り返し、アポリオンを追い回す。
少しは自分のビジュアルというものを意識して欲しいものである。
人間の言葉で言うところの、残念な美人というのは、彼に実にしっくりくる。
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