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不和
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「何しに来たんだよ!変態!」
「無論、君に会いにだよ。私の運命の天使…」
「俺、悪魔だから」
「結婚しよう」
「頭おかしいのか、テメェ…」
「怒った顔も素敵だね…」
「………ぶっ殺す」
先程から、サリエルとアポリオンが揉めている。
相変わらず不毛な噛み合わない会話に、こういう場合、空気の読めない方が強いなと思う。
現にアポリオンの気力の消耗が著しい。
「なぁ、ルシファー…。あのお方ってサリエル様だよな…?」
「………………………………違います」
「なんで、嘘つくんだ…?」
「………」
「なんで、こっち見ないんだ…?」
「………」
マナエルはいずれ天界に帰るだろう。
マナエルは上級天使にかなり憧れている所がある。
それなのに、憧れの高位の天使があんなんばかりだと思ってしまっては、マナエルがあまりにも可哀想だと思った。
「心配してるんだろ?」
以
心
伝
心
!!
マナエルと心が通じたと思ったのも束の間。
「愛を貫くなんて、格好いいよな!サリエル様!確かに天使と悪魔なんて禁断の愛だけど、好きになっちゃったもんは仕方ないよ!」
そうだった。
マナエルも天使。
愛とは正義!と思っている類の種族だった。
「サリエル様の事心配してるなんて、ルシファーって友達思いだな!」
違う、断じて違う!
そんなキラキラした目で見ないでくれ。
あ-、サリエルが事故れば良いのに、
とか思っていた自分がとてつもなく悪い様な気になってしまうじゃないか。
「俺もいつか、ルシファーとサリエル様みたいに何も言わなくても通じ合える様な友達になりたいな!」
照れながら話すマナエルがあまりにも可愛くて聞き流しそうになったが、
何故そうなった!?
一体何時この僕が、サリエルと通じ合ったというんだ、おぞましい。
可愛らしい顔で、なんて恐ろしい事を口にするのかと、ちょっとマナエルが恐くなった。
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