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終末の時
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※この小説は各宗教団体等とは一切関係ありません。広い心でお読み頂けると幸いです。
「もぉ、絶対ウリエルに殺されるよ…この世との決別だよ。終末の時だよ…」
「いいから、床から起きてください。いい年した魔王が恥ずかしいですよ」
「いつかの終末、大変でしたよね。終末に必要な資料をラジエルが間違えて、ミカエルにどぎつい無修正のAV渡したもんだから、連帯責任で皆正座させられて滅茶苦茶怒られて、おかげで終末が三日遅れて」
「やめてください、そんな昔の嫌な思い出を引きずり出すの」
「終末に吹くラッパ入れてた箱と、ラジエルのアダルトグッズ入れてた箱が一緒だったから、慌ててたハニエルが間違えてそれをミカエルに渡したもんで、また怒られて」
「…………」
「罰として密室でいい年した熾天使が皆並ばされて、そのAV見せられてさ、裸にされたオッサンが、ハーネスつけたオッサンに空中で縛られてて「思い出したくないから黙れよ」
「あんなに怒ってるミカエルを見たのも、あんなにラジエルを恨んだのも、あんなどぎつい映像を見せられたのも、後にも先にもあれが」
「そろそろ現実に戻ってきてください。そして、その件に関しては私はまだラジエルを許していません」
「AVってなぁに?」
「そんなの、アダルトビデオに決まっ」
答えようとした僕の背中に汗が伝う。
「ママママ、マナエル!?」
「あだるとびでお?」
ヤバい。
純粋なマナエルに、まだ知らなくても良い単語をインプットさせてしまう…!
「ああ、マナエルくん。アポリオンはどうしたんです?」
サリエルがマナエルに気づき、尋ねる。
「何だか部下の人に呼ばれて出ていっちゃったから、暇で戻ってきちゃった。それより、アパルトヘイトって何?」
「そんな物騒な聞き間違い忘れなさい」
「ち!違うんです!マナエル!AVはアニマルビデオの略です!」
「あにまるびでお?」
「そ、そうです!天界にもいる鳥類や、人間界の可愛らしい動物を集めた映像の事ですよ!」
「そうなんだ!」
キラキラと目を輝かせるマナエル。
サリエルはと言えば、苦し紛れに嘘をつく僕を生暖かい目で見ている。
「俺、ルシファーと一緒にAV見たいな!」
「!!??」
屈託のない笑顔で言われて、何という言葉の破壊力だとくらくらする。
「ルシファー、感動に浸ってる所すみませんが…。私は幼い天使の子に悪戯をする様なら、ウリエルにつきますからね」
「わ、わかってますよ!」
マナエルの可愛さに、ちょっと自信がない今日この頃だった。
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