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髭への執着
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「ちょっとだけ!ちょっとだけだからっ!!」
「駄目なものは駄目だっ!!汚い手で吾輩に触れるなっ!!」
「ちゃんと手ぇ洗ったよっ!」
「そういう問題ではないっ!!」
「こ、これっ!!折角見つけたけど、でっかい虫、おっさんにあげるからっ!!」
「んなもん、いるかぁっ!!そして、誰がおっさんだ!!ベルフェゴール様と呼べ……………って、ゴキ○リではないかっ!?ギャアーッ!!ち、近づけるなっ!!あっちにやれっ!!」
嫌がるベルフェゴールに、マナエルが必死の交渉を試みている。
髭に対するマナエルの執着が、ちょっとだけ恐かった。
♢♢♢
「い、いいか!!今日の所は見逃してやるが、次はきっちり説明をしてもらうからな!」
「二度と来なくて結構です」
揉めに揉めた後、慌てて出て行くベルフェゴールに吐き捨てる。
「髭…、触らせてもらえなかった…」
ポツリと呟いたマナエルを思わず全員が振り返った。
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