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迷子、再び。以下マナエル視点。
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こっそりルシファーの仕事部屋を覗けば、この城の主は忙しそうに仕事をしていた。
「邪魔しちゃいけないよな…」
外には出てはいけないと言われているけれど、ちょっとお庭に出る位は良いかと思う。
だって、ルシファーが遊んでくれなきゃ退屈なんだ。
庭に出ると、外はやっぱり天界とは違って薄暗かった。
「あ…」
茂みから、ぴょんと何かが一匹出てくる。
これは、天界にはいないけど知っている。
動きがぴょんぴょんして面白い、
蛙だ!!
何とか捕まえようと追いかけるけど、動きがヘンテコでなかなか捕まえられない。
蛙を見失って、ふと周りを見渡すと、そこは見覚えの無い場所だった。
夢中で追いかけているうちに、知らない場所まで来てしまっていた。
「あ、あれ…?ここ、何処……?」
まさか、また迷子…………?
たらりと背中に汗が伝う。
お城の中でもあまり無闇矢鱈に歩き回ってはいけないとアポリオンに強く言われていたのに、外に出て迷子になってしまったなんて知れたら、めちゃめちゃ怒られてしまう。
右を見ても、左を見ても、どこも変わり映えしない荒れ地が広がっている。
自分がどの方向から来たのかさえ、怪しかった。
不意に、ガサリ、と乾いた草が擦れる音がした。
慌ててそちらを見ると、恐ろしい牙を持った大きな毛むくじゃらの魔物が、枯れた草をかき分けて現れた。
「ひっ…………!!」
逃げなきゃと思ったけれど、足は一歩も動かなかった。
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