アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
マナエルとベルフェゴール2
-
「ご…ごめんなさい…」
「…………な、何もそんなに泣かなくとも…。」
ボロボロと涙が溢れてきて止まらない俺に、さっきまで怒っていたおっさんがギョッとした顔をし、困った様におろおろしだす。
「お、俺、蛙がいて、動きが面白かったから、…それを追いかけてて…」
「か、蛙…?」
俺の言葉に、おっさんは首を捻り、ジロジロと俺を見る。
「理解した…。お前、図体はでかいが、まだ相当幼いようだな」
「こ、子供じゃないよ、もう見習いだから…」
「充分子供ではないか。良いか、此処は危ない場所なのだ。お前の様な幼い天使がうろついて良い様な場所ではない。下級の悪魔とて、危ないから無闇に出歩かないものだ」
「ご、ごめんなさい…」
「やれやれ」
「おっさん、助けてくれたり、心配してくれたり、良い悪魔なんだな…」
「ふん、どうせ天使の善悪等、神が自分の都合の良い様に定めたものだ。それに当てはめられて判断されるのは、至極不愉快だ」
「難しい事はわかんねぇけど、助けてくれてありがとう、おっさん」
「おっさんではない、吾輩はベルフェゴール公爵だ。由緒正しきベルフェゴール家の…」
「じゃあ、ベルちゃんだな!」
「べ…ベル…ちゃん…?貴様、ふざけた呼び名を…」
「助けてくれた時、すげぇ、かっこよかった!」
「…」
「ベルちゃんって、本当に強くてカッコイイ悪魔なんだな!」
思った事をそのまま言うと、ベルちゃんが腕組みをし、
「……………………貴様、天使のクセに見る目があるではないか」
と、呟いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
32 / 41