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天使と悪魔の友情
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俺は、本を読んで貰おうと、ベルちゃんのお城に遊びに来た。
けれど、丁度ベルちゃんはお仕事中で、もう少しで終わるからと言われて、お仕事が一段落するのを待っていた。
ベルちゃんは、書類に何やらスラスラ書き込んで、判子を押しては、部下の人に指示を出してと、テキパキ仕事をこなしている。
そんな姿を見て、俺は溜め息をついた。
「ベルちゃんは凄いな…」
俺の呟きに、ぴたりとベルちゃんは仕事の手を止めた。
「どうした、マナエル」
「仕事もできて、強くて、ヒゲだって格好いいしさ」
「何だ、改まって、当然の事を…」
「それに比べて、俺って天使らしい所が何にもないんだ。見た目もこんなんだしさ、馬鹿にされてばっかりで…」
「…ふん、容姿が何の役に立つと言うのだ。そんなくだらん事でしか相手を判断できない低能な奴らは放っておけば良いのだ」
「え…?」
「お前は綺麗なだけが取り柄の胸糞の悪い天使共とは違う。しっかりと自分の意思がある」
「ベルちゃん…」
「困った時には、何もしてくれない神に祈るのではなく、お前が正しいと思う行動をしろ。どうにもならない時には、吾輩が必ずお前を助けてやろう」
ベルちゃんの言葉に、何だか分からないけど、胸がいっぱいになる。
そんな事を言われたのは、生まれて初めてだった。
そして、ベルちゃんはなんて優しくて、格好いいのだろう。
「…俺、ベルちゃんと親友になれて、本当に良かった」
「マナエル…」
ベルちゃんに近付くと、ベルちゃんも立ち上がる。
そうして、俺とベルちゃんは、友情を確かめる様に、ガシッと抱きしめ合った。
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