アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
丁度 sideアイセ
-
マストの真ん中辺りの見張り台には既に先客がいた。
彼は赤い、いや紅い真紅の宝石のような瞳と、太陽に照らされ輝く金色の髪を風に靡(なび)かせていた。
彼を見た瞬間、胸の鼓動が音をたててはねた。
俺はその光景に時間も忘れて見とれた。
ハッと我に返った時、相手は不思議そうな顔をしていた。
何と言えばいいのか分からなくなって、返事もそこそこにその場から一刻も早く立ち去ろうと更に上へと向かった。
どうしたのだろうか?
見とれた挙げ句、言葉に詰まって焦って逃げ出すなんて。
上の見張り台に着き、海風に当たり、心を落ち着かせようと空を仰いだ。
空にはまだ白い三日月が見えていた。
さっき、あの火の奴(能力者)を見た時、心臓が変だった。
感じた事のない不思議な感覚に戸惑う。
一体何だったんだ?
先程の事を思い出していると、後ろから声がした。
「お前、名前は?」
振り返ると、この感情を与えた張本人が、腰かけ座っていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
33 / 493