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昔の記憶
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「アデデデデ――――ッ!!!」
ちょっとした台風のような出会いにポカンとしていたらまた耳を引っ張られた。
「……この浮気者」
ぼそりと呟かれた声が耳に届く
「はぁ?」
浮気?
「帰る」
「え?!あ、うん…」
…………ん?何で怒って……
まさか…いやいや、そんなはず……
斜め前をスタスタと歩く圭太についていく。
[どうして他の男と一緒に居ても顔色一つ変えてくれないの?!]
歴代彼女の一人の修羅場(?)と遭遇した時の事を思い出した。
あれは放課後、教室に忘れ物を取りに戻った時だった。忘れ物をもって帰ろうとしたら隣の教室から女子の怒鳴り声が聞こえてきて…。
[どうしてって言っても、俺そういうの苦手なんだよね]
何事かとこっそりと覗けば、手で顔を押さえて泣きじゃくる女子とそれを見て困ったように眉をしかめる圭太。
[苦手でも何か反応があってもいいんじゃないの?!
私たち付き合ってるんだよね?!なんでそんな無反応でいられるの?!
無反応なんて他人も同然じゃない!!付き合ってる意味あるの?!]
[だからさっき言ったでしょ?嫌なら別れようって]
あくまでにこやかに話す圭太に傷ついたような顔をする女子。
[私は…私は…私を全く見てくれないケイくんに妬いて欲しかっただけなのに…
ケイくんは一体誰を見てるの?!私を見てよ!!]
そう言って泣き崩れてしまった女子を圭太は冷たく、でも悲しそうな目で見降ろしていた。
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