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自制心を身につけよう Scene野々村
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「イチ、しばらく家来るな」
朝から頭に岩でも当たった様な衝撃の一言だった。
さかのぼること30分前、俺は大好きな恋人の家に向かう為家を出た。
今日は土曜日で学校も休み、体育館の修繕とワックスがけの為部活も休み、朝から恋人の家でゆっくりしようと、約束をしていた。
家を出て、しばらく歩くとポケットに入れた携帯が鳴った。
『はい、先生? もうすぐ着きますよ、どうかしましたか?』
「…悪いイチそのまま引き返して」
『何かあったんですか?』
「理由は後でメールする」
『そんな、せっかく…』
「埋め合わせは今度するから」
『…わかりましたって言わなきゃダメなんですよね、それ』
「それから、イチしばらく家来るな」
『しばらく!? 何で?』
「悪い、説明する時間ないんだ。夜にでもメールする」
そう言って一方的に電話は切れた。
家に来るなってどういう事だよ。
ちゃんと説明もしないで、一方的に電話も切られるし…
『何だよ…先生の馬鹿』
俺は家に引き返して、せっかくの休日なのに夜まで暇な時間を過ごしていた。
夜にでもメールするって言ったのに、メールなんて全然こなくて、気がついたら日付は変わっていた。
流石にこんな時間じゃもう連絡こないよな、自分でメールするって言ったのに…
先生の嘘つき…。
俺は携帯を握りしめたまま眠ってしまった様で、気が付いた時にはもう朝だった。
携帯にはメッセージも着信も無くて、朝から気分が悪い。
日曜日も夜まで待ったけど、先生からの連絡は無くて、不安な気持ちが体に広がるみたいに何もする気がおきなくて、1日中ベッドの上で過ごした。
朝、先生に送った1通のメッセージにも何の反応も無いままだった。
週末のたった2日間、先生に会えなくて苛々する。
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