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朝、携帯のアラーム音で目が覚める。
先生は未だ目を開けずに、俺の腕の中でスヤスヤと眠っていた。
『先生、朝ですよ。そろそろ起きて帰る準備しないと』
「…ん…まだ…もう少し…」
『ダメですよ、部活もありますし、帰って準備しないと』
「…んー…」
起き上がり、先生はボーッとしながら洗面所へむかう。
顔を洗って、歯磨きを済ませ戻ってきた先生はもういつものシャキッとした先生だった。
しかし、ソファーに綺麗に畳まれ置かれた着替えとテーブルに置かれた化粧品を見て「帰るだけなのに、それ着なきゃいけないのか…」と項垂れた。
『俺も顔洗ったりしますから、戻って来るまでに着替えててくださいね?
顔を洗って戻ると、着替えを終えた先生がソファーに座っていた。
『化粧品、手直し程度しか持ってきてないのでマスクで顔隠しましょうか』
不慣れな手つきで先生にアイメイクを施し、マスクをつけた。
『チェックアウトの時間だし、出ましょう』
先生は少し難しい顔をしていたけれど、頷いてドアに向かって歩き出す。
俺は何だか先生の表情が気になって、先生を後ろから抱きしめた。
「…何だよ、帰るんだろ?」
『帰りますよ…帰るけど、少しだけ』
先生は大人しく俺の腕の中に収まっていて、少し溜息交じりに息を吐くと
「時間…延長になるって…」
そう言って俺の腕に手をかけた。
『帰り、先生の家寄ってもいいですか?』
「お前…ダメって言っても来るんだろ?…聞かなくても…一緒に帰れば」
『そうですね、じゃぁ…出ましょう』
俺は先生の手を握り部屋から出た。
偶然にもホテルから出ようとしたら同級生に出会し、俺の背中に慌てて先生を隠した。
お互い相手を連れての気まずい場所で、何かを話す事なんて無かったけれど、先生は立場上顔を見られる訳にいかなかったし俺は先生を隠しながらそそくさとその場を去った。
「あいつ…高校生なのにあんな場所に出入りしてるなんて、こんな格好じゃなかったら指導してるぞ」
『いや…あの…先生?俺も高校生…なんですが』
「……そうだったな」
『指導しますか?』
「……してやろうか?」
『一緒に入ったのに』
俺はクスクスと笑う
「笑ってんなよ」
他愛ない話をしながら2人で歩き、先生の家に帰った。
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