アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
*
-
入学式も終わり、次々と騒がしく生徒達が下校する様子を俺は教室の窓から眺め、胸ポケットから1枚のメモを取り出し、破り捨てた。
「ありえねぇ…生徒とか…ダメだろ、マジありえねぇって」
今日、自分が何をしているのかも全く解らなくなるほど俺は動揺していた
まさか、昨日出会った男が学生で…しかも自分のクラスの生徒だなんて…
「高校1年って…いくつだよ、15? 16歳? 俺…犯罪者になるっつーの」
はぁ〜っと溜息をついて頭をかかえた時
『先生っ』
そう呼ばれて俺は振り返った
振り返った目線の先に映ったのは…
「イチ…」
『先生、メモ見てくれましたか? 俺、先生の番号も知りたいです。 また…先生の家に行ってもいいですか?』
そんな期待に満ちた顔で俺を見るな
何をこいつは血迷った事を…
俺はお前より10歳も年上のオッサンだぞ?
恋愛がしたいなら、こんなオッサンより良いのが沢山いるだろ…
俺は小さく深呼吸をして
「野々村、あのな? お前は生徒で、俺は教師だ、それ以上の関係になるつもりはない。 昨日の事は…忘れろ。 メモは捨てたから、恋愛がしたいなら同じ年頃の子達としなさい」
そう言って、逃げるように教室から出た
校内にある喫煙所で、普段はあまり吸わなくなっていた煙草に火をつけ、気持ちを落ち着かせた
俺は…イチを傷付けてしまっただろうか
でも…それも今だけだ…
すぐに忘れて、次の恋をするさ…
「さぁて、部活っ部活っ」
背伸びをして、喫煙所を出た
俺はバスケ部の顧問
放課後も忙しいんだ
職員室で机に置かれた入部届けに目を通す
「今年の入部希望者は〜」
と、プリントに目をやると…
入部希望用紙にでかでかと書かれた名前
゛野々村 一゛
俺は椅子から崩れ落ちた
「あ…頭痛ぇ…」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
5 / 93