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告白 scene坂上
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キュッキュッと靴底が擦れる音
ダムダムとボールが弾む音
たくさんの人の声
現在、放課後、部活動の時間
ここは、桜ヶ丘高校の第二体育館、バスケットボール部が使用している体育館である
俺は、このバスケットボール部を指導する顧問、坂上 玲音
俺が、体育館に入るとすぐに
「集合っ」
と、キャプテンの掛け声に部員達は俺の前に一斉に集まる
「あー、今日は俺、これから職員会議で練習には顔出せないから、いつも通りにしっかり走り込んで、少しミニゲームやったら早めに上がれ。 外、雨酷いから帰りは気を付けて帰るようにな。 キャプテン、後は頼んだぞ」
手短に、それだけ言って体育館から出ていく
話てる間…体育館から出ていく時…酷く突き刺さるような視線を感じた
誰かはわかってる…
野々村 一
あいつだ…
教室でも、廊下でスレ違う時も、あいつは何か言いたげな…そんな顔で俺を見ている
俺は、その視線に気付かないフリで、俺の事なんて忘れてくれ、そう願うばかりだった…
会議は思ったより長引いて、時計を見ると午後7時30分を過ぎていた
窓の外は昼間の雨が嘘のようにやんでいて、星が出てる
俺は椅子に座ったまま背伸びをして
「あ〜疲れた」
そんな言葉を口にした
それを横で見ていた同僚の女性教師から「坂上先生、年寄りみたいよ?」
そんな風にからかわれた
確かに疲れてるんだ
身体はもちろん、初めてのクラス担任で慣れない事が多くて疲れる
けど…
何よりも、精神的に疲れている
毎日、毎日感じるあの強い視線…
入学式以来、俺はイチとは目を合わせない様にしている
目を合わせなくても、あいつが俺を見ているのがわかる
あいつの視線が痛いほど俺に突き刺さるから…
でも…どうにもならないだろう
「お先に失礼します」
俺は同僚に挨拶をして、帰宅する
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