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何だよ…
俺が怒ってたのに、結局俺が悪いみたいになってさ
先生の立場とか…わかるけど、恋人がいるくらい言ってもいいじゃん。
何か…先生は俺のものじゃないって言われているみたいで、何かさ…寂しい
大人の先生には大した事じゃないのかもしれないけど、子供の俺には結構こたえる
俺はまた溜息をついて、その場にしゃがみ込んで頭を掻いた。
自分で今日は家に行かないと言ったけど、俺は帰り道先生の家に寄り、インターホンを押した
部屋の灯りはついているのに先生は出てくる気配はなく、俺は仕方なくバッグから合鍵を取り出し
鍵穴に差し込む。
鍵を開けて部屋に入ろうとしたら、扉は5センチしか開かず
『チェーン…掛かってる』
俺は扉を閉めて、バッグから携帯を取り出し先生に電話をするも、全く出ない。
メールをしても返信もない。
『…なんだよ』
俺はドアにオデコを付けて溜息をついた
『謝らせてもくれないって…』
手に持ってた合鍵と、携帯をポケットに入れて帰り道をトボトボと歩いた
確かに行かないって言ったのは俺だ
でも、これじゃ謝る事もできない
帰り道、携帯をポケットから取り出してメール画面をひらいてみたけど、何て打っていいか解らずに画面を閉じた。
今、先生はどんな顔してるだろう…
そんな事を想いながら重たい足をなんとか動かし帰宅した
家に帰ってからも、気になって眠れず、打てないメールの画面を何度も開いては閉じての繰り返しで、気付けば窓の外は明るくなっていた。
時計を見ると朝の5時
『そりゃ明るくもなるよな…』
俺はモヤモヤを落ち着かせる為ジャージに着替えランニングをしようと外に出る
しばらく走って、喉の渇きに水を飲もうと公園に立ち寄る。
水を飲んでふと顔を上げると視界にベンチに腰掛けた人が見えた
見間違える訳がない
『先生…?』
俺が近づくと砂利を踏む音に先生が俺に視線を向け、ギョッとした表情をし、すぐに立ち上がり走り出す。
俺は必死に追いかけた。
『クッソ、何でこんな速いんだよ』
息を切らし、追いついた場所は先生の部屋の前
動揺していたのか、部屋の鍵を途中で落とした事に気付かなかったらしく、ドアの前でオロオロとポケットに手を入れ鍵を探していた。
俺は
『先生…鍵…』
そう言って、鍵を見せると慌てて取り返そうと手を出した
俺はその手を掴んで
『鍵、返してあげるから部屋に入れて…入れてくれないなら返さないし、ここで騒ぐよ』
「なっ!? それは卑怯だろっ」
『いいよ、卑怯でも、ホラ騒ぐよ? どうするの?』
「わ、わかったからっ 入っていいからっ」
俺は先生の部屋の鍵を開け、先生の手を掴んだまま玄関に入る
「逃げたりしねーから、手…離せよ…靴ぬげない」
俺はグッと先生の手を引き寄せて抱き締めた
『ゴメン…先生、昨日…怒らせて、困らせてゴメン…』
「……」
『何か言ってよ…先生』
「とりあえず、靴…」
『え?』
「だから、話してやるから靴ぬいで中入れ」
俺は先生をゆっくりと離し、部屋へと入った
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