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険悪なムードは消え去り、またマッタリとし始めた空気だったのに…俺の頭上で「先生…」そう俺を呼ぶ声に俺の背筋に悪寒が走る
この声は…
この感じは…
危険だっ
「あ、何か喉乾いたなぁー…もう離してくれて大丈夫だから」
見上げたイチの笑顔に俺の顔は引きつる
『先生、逃げようとしても無駄ですよ』
「に…逃げるなんて人聞き悪いな、俺は喉が乾いたなって…」
俺はイチの腕からなんとか逃れようと身をよじるが抜けられない
『逃しません、余計な事を考えて独りで悩む様な人は…お仕置き…ですね?』
「い…いやいやいやっ 謝るからっ 無理だって! 俺まだ腰辛いから!」
『先生…多少ムリしても大丈夫、明日も泊まるんですから』
「そうゆう問題じゃないっっ」
この後、俺が瀕死の状態になったのは言うまでもなく…
瀕死の俺にイチが優しく囁く
『先生、ずっと一緒にいましょうね』
そんな言葉に俺は「俺の選択は間違えてる気がする…」そう思わずにはいられなかった。
連休明けの教室では、生徒達が連休中の話題で盛り上がる…
「ねぇ、先生は連休何処か行った?」
「あぁ…温泉に行ったよ」
「温泉? でもリフレッシュしてる感ないね、山奥の秘湯でも行ったの?」
「いや、普通の温泉だ」
「温泉行ったのに疲れ切った顔って変なのー」
「…そうだな…変だな」
そんな生徒とのやり取りを聞いていたイチはニッコリ笑って
『先生は、体のリフレッシュじゃなくて心のリフレッシュに行ったんじゃない?』
なんて話に割り込む。
話をしていた生徒が「それにしても疲れ過ぎじゃない?」なんて笑う
心のリフレッシュ…上手く言ったと思ってんだろうがそうはいかない
「野々村、お前はどこか行ったのか? ずいぶんスッキリした顔してるな、そんなお前には良いものやるよ」
知ってる癖に何聞いてんだと変な顔をするイチに俺はぶ厚いプリントの束を渡す。
『何ですか、これ』
「お前、最近な成績落ちてきてるから、先生からのプレゼントだ、有難受け取れよ?」
引きつるイチに俺はフンッと笑ってみせる。
まだまだこいつに主導権をにぎられる訳にはいかないんだ
「他にも欲しい奴いたら遠慮なく言えよー、あ、野々村は明日までにやってこいよ?絶対な」
『先生、これはズルい』
「なんとでも言いな」
何とか年上としての威厳を保とうとする坂上 玲音なのでした。
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