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好きを見せて。4
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「ん!?」
右手の束縛が取れる。それによって逃げ出す決心をする
なのに、解いた手はすぐさま啓の顎を持ち上を向かされる。それに反応できず呆気に取られている間に唇に感触を感じる
「っんん!!」
強引に口付けを交わすそれが臨海のものだとわかるのに時間はかからず頬を伝う涙が線を太くし流れ落ちる
「…は」
「っ……んで!」
「気付かないから…」
「なに…にだよ」
「俺がお前のこと見てるの」
「は?」
何?これ…また勘違いかよ
最近願望のせいで頭おかしい、いや耳が退化して…
「気付けよ」
「せんせぇ…」
「好きだよお前のこと」
嘘…だろ
「ごめんな…好きだからどうこうって訳じゃないから、いつもどーり接してくれればそれでいいから」
「……」
ヤバイ、涙とまんね
「…で、なんで泣いてんだ?嫌だったか、やっぱりキスとか」
「違…だってアンタ俺のこと……」
「まぁ、生徒以上にそーゆー目で見てる」
「っ…じゃあ、1週間の約束は!?」
「あれは、好きになってくれたらいいなぁってのと、本気で校長が煩くてな…」
「馬鹿じゃねぇのかよ」
「ワリィ、最低だな」
「じゃなくて!」
「ん?」
「っ……俺のこと見てんだったら…んで言わないわけ?!」
「…だってお前が好きなの、西園寺だろ?」
「……は、はぁ?!誰があんな性格のひんまがった奴!」
「じゃあ、なんだよなんで泣くんだよ」
「だから…って、んの」
「なに?」
~~~~~~!!コイツは
なんで聞いてないんだよ!!!
「俺はアンタが俺をそーゆー目で見る前からアンタで抜いてんの!」
……何言ってんだ俺は!!!!!
「あ、や…今のやっぱ無しで!」
「え?そーなの?」
「だから、今のは忘れてってば!!」
「なんだ、両想いだったって訳か…成る程…」
「っ…」
微笑むのとか反則だろ。クソッ、格好いい
「じゃあ、今日ウチ来いよ」
「なんでそうなんの!?」
「1週間の約束だろ?」
「それもう関係ないだろ!?」
「髪の毛染めなくていいから」
「そんな手に騙されねぇぞっ」
「騙されろよ大人しく」
「っ、別にまぁいいけど…」
シュンとなった臨海の表情に気恥ずかしそうに肯定すると啓は顔を逸らす
「それじゃ帰り玄関で待っといて」
「おう」
やば…俺、単純すぎだろ
「……」
「………」
「で?」
「は?」
「言ってくれないわけ?」
「何を…」
「俺で抜いてたんでしょ?」
「だ、だから……何だよ」
「言って?」
「っ、その…」
「うん」
「す、すす……す!」
バンッ
「啓ちゃーん?」
「「!!」」
突然勢いよく開かれた屋上の扉から類が現れる
「る、類!?」
「おー、やっぱ居た…と……阿久津先生も居たんですか」
「な、どうし……あっと、あのな…その」
「西園寺類…」
「なんですか」
臨海と類は二人して笑顔なのに二人して企んでいるような顔をする
「あ、あのな類!俺、つ…付き合うようになったんだ!」
「え?」
「言った…」
「だ、だから…」
「え?…誰と誰が?」
「お、俺と阿久津先生ぇが!」
「ふーん、なんだ…叶ったんか……」
「は、反応薄くねーか!?」
「はぁ?俺が好きなのは心咲さんなの!どーでもいいわお前らなんか…ビビらせんな」
「あ、そう…」
胸を撫で下ろす類はキレ気味に自分には関係ない話を持ちかけた啓を呆れ顔で見る
「西園寺!」
「何?」
「いきなり裏のキャラかよ…じゃなくて日向先生な…あれでいて甘いもん好きらしーぜ」
「!」
「欲しい情報ならやるから、睨むなよ、な?」
「…ま、そーゆうことなら」
「うっし…今度どっか行こーぜ四人で!」
「はぁ!?」
「幸せオーラ振り撒かないでクレマスカ…」
「ま、お前は頑張れー」
「あんたテキトーすぎ」
「あんたに言われなくても、心咲さんは落ちるよ…そのうち相談されるんじゃないですか?」
不敵に笑って見せると臨海と啓は苦笑いで返す
「あ、忘れてた…啓ちゃん」
ドアノブに手をかけたところで類は振り返る
「なんだよ」
「家の鍵、今度返してくれない?俺もお前ん家の返すから…」
「んえ……いいけど、どした急に」
「…ガキは知らんでいいの」
「な!っんだとぉ!!」
「じゃーな、お幸せに」
イマイチピンとこない類の行動に去り際小さく手を振る
「たく……」
「……お前、ホントに俺のこと好きなの?」
「な、煩いな!好きだって言ってんだろ!?」
あ、また墓穴掘ったーー!
「そーかそーか…好きすぎて俺で抜いてんだもんなー」
高良かに笑う臨海にイラつきながらも見上げる
その視線に気付いたのかフッと微笑み今度は優しく口付けた
「愛してるよ」
「勝手にしたら?」
結果的に遊ばれていた気になってるのだから、直接的な言葉はいってやんない
俺の方が、愛してるっての!
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