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休み明けの嵐
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朝はなんでやってくるのだろうか。
一日くらい、寝坊してくれてもいいンじゃないのか。
(……寝た気がしないのは何でダロ)
…眠いすぎる。
つーか、疲れた。
休み明けだってのに、なんで疲れが取れてないワケ。いや、それよか何時より数段疲れが溜まってる感じ。
授業になんて見に入ンない。
フジのせいで昨日はテンパるし、恥ずい思いするし。
…俺ばっか意識してるし。
眠さと疲れで頭がぼおっとする。
「…サボりてー…」
学校へ行く足取りは重い。
このまま、Uターンして直そのまま、速攻で帰りたい。
そんなことを考えていると、学校に到着。
…うぇ。どーすっかな。
ふいに屋上が目についた。
屋上…。
そーいや、高校入ってから行ったことなかったよな。
「ちょーどイイかも」
少しだけ、足取りは軽くなった気がした。
*
「…さむっ…!」
屋上は、想像なんかより全然広かった。
それよりも、風はびゅーびゅー吹いていてすげー寒い。こんな時期に此処に居るのは結構ツライ。…いや、夏も夏で暑そうかも。
(…カーティガン二枚着てきてよかった)
風がしのげそうな所、あっかな。
なるべく、熱が逃げなように身体を縮めて歩く。冬場は、猫背になりがちだ。だってさみーンだもん。
近くに日当たりのよい場所を見つける。
風は少し当たるが、まぁ日陰よかましか。
…あれ、足?
そこには、先客が居たらしい。
ひょいっと、身を乗りだし人物を確認する。
サラサラと風に揺れる前髪は細く柔らかそう。日が当たる頬は白く、黒い髪がより一層映える。
…うわ、睫毛なっが…!
つか、顔が整ってる。美形…ってやつ?
学ランのボタンをキッチリとしめ、壁に寄りかかりながら眠る男子生徒。
耳ピアス着けてる…真面目ちゃんぽいけど、意外とふりょー?
てか何年だろ…三年?
胸についているバッヂに視線を向ける。
赤…げっ、一年?!
長く伸びる足、大人っぽい顔立ち。
…一年とか、ふざけてる。
まじまじと観察していると男子生徒が目を覚ます。ゆっくりと目蓋を開けると、ばちりと目が合った。
やっべ!
見過ぎたっ。
その目がとても力強いものであり、一瞬どきりとする。鋭く切れ長な瞳…。フジとよく似たその瞳はとても綺麗で、身体が強張る。
違うとするならば、その瞳の色は茶色であること。
その男子生徒は、俺を暫くの間見詰めていた。俺は俺で目が離せず、硬直。
その瞳が一瞬、大きく見開かれる。
「…もしかして、ゆうきさん…?」
形の良い唇が動く。
俺は驚き、びくっと身構える。
…美形ってヤツはもっとスマした生意気なイメージだったンだけど、コイツはなんだかとても穏やか。
…それよか、なんで俺の名前知ってンの?
俺の頭の中らハテナで埋まる。
勿論、警戒心は更に上がる。
人見知り発動中だ。何コイツ、誰?ねえ誰?
「…やっぱり…!へえー…写真んなんかより、全然可愛いじゃん…!」
ごそごそとポケットから、写真を取り出す。
それと俺を交互に見比べる。
…写真…?
可愛い…??
…………ストーカーかなんかデスカ!??
思考回路がごちゃごちゃになる。
そんな時、いきなり腰を掴まれ引き寄せられた。
?!!!?!
…なっ…?!
「わ…ほっそ、てかちーさい。」
がっちりと腰を固定される。
ぼそぼそと呟く相手と目が合う。
そいつは、にっこりと愛想よく笑顔を向けた。
俺の目はまん丸いだろう。
見開く瞳には、この一年しか映らない。
「初めてまして、ゆうき先輩。これからどーぞ宜しく?」
…おいおい。
どーなってンだよ、ホント。
休み明けに突然の嵐。
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