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ハッピーエンドは望まないけど、
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※今回の内容に、嘔吐の表現、R15までの内容が含まれます。苦手な方はご注意を!
前回までの俺の話。
松野くんがフジにloveである事を打ち明けられ、協力を迫られる→俺氏部屋でモヤモヤ→あれ?俺らしくなくね??→なんか知らんけど吹っ切れた→フジ氏ぶん殴ろう!→部屋を出たけど、この家広すぎ!→探索だ!→まさか、、、松野くんって、あの有名なお〇松さん?!?!真実に迫る一歩手前→真実は、あのバカ沖により闇に葬られた→なんか知らんけどバカ沖がやべえ→俺氏ピーンチ☆new!!
まぁ、俺の脳内革命!じゃ、ねーや。
俺の脳内回想は、ざっとこんなもん。
…なんて、頭ん中忙しくて。
馬鹿なことしてるのは、十分理解してるンだけどさ。
こんな馬鹿なことしてねーと、俺今、冷静じゃいられねぇんだけど。
「ゆーきチャン、みーっけ、♪」
なんて、可愛らしい(笑)あざとぶりっこしてる、この、バカ沖。
普段の俺だったら、脅かすんじゃねー!!とか、きめえんだよ!!!バカ!とか、なんか罵ったり出来んのに。
なんでか知らねぇけど。
沖の様子が、変だ。
俺氏、いきなりの、このバカの登場に驚き、よろめき、そして、尻餅。
ドスン!!と盛大に転ぶ。
床が、これまた大理石だから、硬いし冷たいし、オレの柔らかなお尻が痛む。
「バカ沖…ッ!!?なんで、お前…っ、」
俺は言いかけた言葉を呑み込む。
まぁ、ここにいるんだよ?!って言いたかった訳だけど。
偶然、ばったり会ったのかもしンねぇし?!なんて、思いたいだけだからだ。
だけど、そうじゃないかもしれない。
だって、見上げた沖の笑顔、表情。
……身に覚えがあるから。
ドクンって、嫌に心臓が高鳴る。
ギャルゲーしたみたいな、トゥクン☆みたいな、あの胸のトキメキでは、…ない。
俺を見下ろす、その瞳。
瞳孔は開き、まるで俺を舐め回す様な視線。
熱と色を帯びたその瞳。
欲情だ。
ゾッと全身に鳥肌がたった。
俺は、知っている。
この瞳を。
(あれ、?俺…何震えて、、)
どっと、溢れ出る冷や汗。
爪先やつま先までもが、血の気が引いたように酷く冷たくなる。
何かが、フラッシュバックする、。
学校、屋上で、1年の生意気なガキに…。
あれは夢…?
現実に起きた事だったのか….?
(……ッ、うそ、だろ…っ)
一気に、全身の血の気が引く。
ぐわんぐわんと揺れるのは、視界が脳内か。
俺は、吐き出してしまいそうな感覚に、思わず両手で口を覆い、蹲った。
冷えていく身体。
あの時と同じだ…。
知らないやつの、嫌に熱い掌で、俺は身体をまさぐられて…。俺の口内に、熱いものが這いずりまわり…。
「うっ…!ぐえ…ッッ!!!」
堪らず、吐き出す。
妙にリアルな、感覚、感触。
どうしようもなく、胸がむかむかと吐き気が治まらない。
頭が、白く靄がかかったように、ぼおっとする。
身体は鉛のように重く、冷たく、汗で張り付いた衣類がべっとりと、気持ち悪い。
考えたくないのに、頭の奥で危険信号はガンガンと鳴り響くのに。冷静を保とうとする俺は、要らない余計な事まで考えてしまう。
(待てよ、何だよこれ。…あいつは、フジはあの時確かに俺を助けてくれて…)
(……フジは、俺がナニされたか知ってンのか、)
痛いくらいに、心臓が高鳴る。
「ゆーきチャン、?!ちょ、ゆうき、!!!?大丈夫
!?!」
俺の異常な醜態に、沖が思わず駆け寄り、しゃがみ込む。
沖が、俺の肩に触れる、その瞬間。
「……ッッ!!触るンじゃねぇ…っ、!!!!」
払い除けた。
ハッ、と我に返り沖の顔をまじまじと見詰めた。
案の定、沖は俺の過剰な反応に息を飲み、驚くばかり。
その表情はいつもの、あのバカっぽい沖の顔で。
なんでだか、それだけで、俺は少しだけ安堵できた。
「…ゆうき、…?ごめん…俺、」
気まずそうに弾き飛ばされた右手を握りしめ、沖は、ぽつり、と呟き謝る。
何やってンだろ、俺。
男なのに男恐怖症…?バカ沖にまで、過剰に反応するとか、俺…どうかしてる。
自虐じみた笑みがこぼれる。
情けないのか、腹ただしいのか、申し訳ないのか。
感情は、ぐちゃぐちゃだ。
「俺、家政婦さん呼んでくる…っ!待ってて…!!」
慌ただしく、沖は廊下を駆け出す。
俺、ただ、ぼおっと沖の姿が見えなくなるまで見詰めていた。
(松野くんの、綺麗な廊下、汚しちゃった…)
沖にも、あんな態度とっちゃって、悪いことしちゃったよな。
折角の楽しいお泊まりの筈なのに(まぁ、何か起こりそうなメンバーではあるが)、案の定、めちゃくちゃ。
頭は、ぐわんぐわんと、視界がまわる。
帰りたい、何も考えたくない。
ここから、一刻も離れたい。
誰にも会いたくない。
男だから、別に汚されたなんて、泣き叫ばないけど。
酷く、気持ちが悪い。
まるで、自分じゃないみたいだ。
(身体に力が入らなくて、声も出ないなんて)
かっこ悪いな、俺。
フジは、何時だって俺をたすけてくれた。
フジは、きっと、あの時も、俺を助けてくれた。
どんなに汚れても、俺を好きでいてくれるんだろう。
あの、雪の日。
フジが泣き出しそうに、俺を、好きだと、その想いを大事に大切に打ち明けてくれたあの日。
くすぐったくって、嬉しくて。
だけど、この胸をぎゅっと握りめ、苦しくて切ないくらい、心が震えた。
初めて、俺は、お前のこと、大好きで、一緒に居たいと思ったんだ。
(俺から、お前に好きって、1度でも伝えられたら、良かったのに)
さっきの、あの気持ち悪さは少し落ち着いて。
冷静に自分の中で、フジに伝える言葉を思い浮かべてる。
(お前の泣く姿、見たくないなんて、俺が泣かせてる癖にに何いってンだか)
長い廊下から、バタバタと複数の足音が鳴り響く。
ゆっくりと、瞼をとじた。
フジの必死な表情がすぐに、この瞼の裏に浮かんできて、泣き出しそうなくらい、胸が傷んだ。
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