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時間は無情にも過ぎていく。
あぁ、神様出来ることなら時間を止めてください。
もしくは時間を早めて一瞬で明日にしてください。
ははは・・・出来るわけないですよね。
別にヘッドスパが嫌なわけじゃないんだ。
むしろ、担当指名なんてアシスタントにとっては名誉なことだし。
俺だって指名は嬉しいんだよ?
相手があの、高野洋子さんじゃなきゃ。
そう、タカさんの字で書き込まれた営業終了一時間前のヘッドスパの予約、予約を入れたお客様はあの高野洋子さんなのだ。
俺、また質問責めに合うのかな?
今日は何言われんのかな?
ううぅ・・・考えたくない。
でも、時間は無情にも過ぎていくわけだよ。
あと、20分もしたら洋子さん来店しちゃうんだよ。
はぁ・・・どうにかして早退でも出来ないもんかな。
そんな事を考えている俺に事情を知らないマサトが言ってはならない禁句を口にする。
「お、ゆうともうすぐ指名の時間じゃね?」
「マサト、そんな時間は永遠に来ないと俺は今、確信しているよ。俺は今、現実から目を背けているよ」
「は?何バカみたいな事言ってんだよ。苦手なお客様なの?高野洋子さんって」
「ちゅど~ん。マサトの改心の一撃。ゆうとは死亡しました」
「あぁ~・・・はいはい。苦手なお客様なのね。あの時間の指名じゃ逃げられねぇな・・・どんまい。明日、飯でも奢ってやるから頑張れ」
「高級フレンチにしろよ」
「バカ。んな金あるかよ」
マサトとバカなことを言い合っていると、タカさんが俺を呼んだ。
「ゆうと先生、お時間となってしまいました」
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